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ラッキーストリートで幸運を掴んだ料理人 中国で日本料理を広め続ける小林金二さん
本誌記者・金知暁  ·   2020-10-27  ·  ソース:北京週報
タグ: 日本料理;飲食;中日交流
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「自己流」を貫く料理人

日本料理の人気に火が付き、市場の競争も激しくなっているが、小林さんは心配するどころか、むしろ日本料理店が多ければ多いほどいいと言う。なぜなら、「日本料理店が増えれば、お客様が比較することができて、自分の好みに一番合う味や最も美味しい日本料理とは何であるかが分かるようになります」と考えているからだ。

小林さんがこのように自信を持って言えるのは、食材の質と調理に対する厳格なこだわりがあるからだ。最もいい野菜を手に入れるため、小林さんは中国農業科学院のホームページで日本と同じ野菜の種を購入し、さらに市場価格の3倍のお金を払って農場と提携し、有機栽培を行ったことがある。調理過程においても、野菜の残留農薬を少なくする方法、海鮮類の洗い方や調理法、さらに布巾やまな板の使い方まで、あらゆる点をおろそかにすることなく、安心と安全にこだわった日本食を提供し続けてきた。

「北京に来てもう30年以上になりますが、今でも中国語の四声が上手にできず、私の中国語は自己流です」と小林さんは笑いながら語る。「でも、私はずっと北京にいたいです。料理店を続けて、より多くの人に日本料理が好きになって欲しいと願っています。そして料理人だけでなくさまざまな人に料理を教えて、小林式でも小林流でも名前は何でもいいですが、自分の料理が伝わっていけばいいですね」と夢を語った。

1990年、小林さんは北京日本調理師会を設立し、試食会や料理コンテストなどで日本料理の普及や調理師の技術向上に貢献してきた。また、自身も人材育成に注力しており、夢を持った若者が中国各地から小林さんの元に集まってきている。現在、弟子は中国全土におり、彼らが各地の日本料理店で活躍し、成功しているのを見聞きする度に、小林さんはいつも弟子たちよりも喜んでしまうのだという。

2018年11月、長年に渡る中日関係の促進と日本料理を通じた中日友好への貢献が評価され、駐中国日本大使館より2018年度在外公館長表彰を授与された小林金二さん(右から2人目、写真=本人提供)

料理、とりわけ料理の人材育成に対して、小林さんは自分なりの見解がある。「『熱い』スープとはどのぐらい熱くすべきか。『少々』とは一体どのぐらいの量なのか。料理ではさまざまな点で自ら感覚を磨いていく必要があります。中国人に日本料理を教える時、一番難しいのは食べたことがなく見たこともないものをどのように教えるかということです。特に刺身などは扱い方に充分な注意が必要ですが、普段生で食べる習慣がない人は意識しないこともあります」と小林さんは語った。

人材育成は決して簡単ではないが、小林さんは今後も続けていきたいと考えている。「人に指導するためには、まず自分ができないとだめです」と言う小林さんは今年で64歳だが、今でも毎日午前11時から深夜まで店で働き、数時間しかない休憩時間もしばしば新メニューの開発や、仕入れ、調理、接客の向上のために費やしている。

「私にとって日本料理は、自分の人生を応援してくれるパートナーの様な存在です。例えば、日本料理に携わっていたから色んな方々との出合いがありました。料理は全然知らない方を美味しさで笑顔にできるだけでなく、心に幸せを届けられます。ですから仕事で疲れはしますが、楽しいです」と、小林さんはランチタイムの最後のお客さんを見送り、片付けながら話した。

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