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一杯の沖縄そばに込められた想い 料理人の奥原純さん
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本誌記者 成瀬明絵 · 2018-10-09 |
タグ: 日本料理;蘇州;社会 | 印刷 |
その沖縄そばをすすった瞬間、驚きまた困惑さえした。ここは本当に中国なのだろうか、と。
江蘇省蘇州市の日本料理ストリートに佇む南風(なんぷう)は、蘇州市出身の王悦さんと沖縄県出身の奥原純さんが2015年に共同でオープンした沖縄料理店だ。開店から現在に至るまで一貫して本場の味にこだわり続け、蘇州市に住む人々の舌を満足させてきた。南風で料理長を務める奥原さんは「我々の料理はきちんとした素材を使い、蘇州でできるベストの味に仕上げています。『当たり前にいい物』を提供したいんです」と語る。
南風で料理長を務める奥原純さん(写真:本人提供)
地元を飛び出し武者修行
奥原さんは沖縄県北部に位置する瀬底島出身だ。観光業が盛んな土地で生まれ育ったため外国人と接する機会も多く、「地元を盛り上げていけるように、人生のどこかで海外に出て外国人向けの商売などについて学ぶ必要がある」という思いが自然と湧きあがったのだという。その目標を実現する第一歩として、まずは海外でも働いていけるようにと沖縄で料理人としてのキャリアをスタートさせた。そして20代最後の年だった2004年に外の世界へ飛び込んだ。最初の行き先はシンガポールだった。
料理長として仕事をする傍ら英語や中国語などは少しずつ覚えていった。そうして3年経った頃に蘇州市のとある店から声が掛かり、「沖縄に戻る前にちょっと寄っていく」つもりで中国へ渡り、気付けば10年以上経っていた。
「最初のお店は1年後になくなってしまったのでそこからは自分でお店をやっていくしかなくて、とにかく毎日が忙しくて…。海外で店を構えるということは様々な課題の連続なんです。それらを一つ一つこなしていたら、10年なんてあっという間ですよ」と振り返る。
南風自慢のソーキそば(撮影:本誌記者張巍)
こだわりの一杯
数々の苦労を経験してきた奥原さんだが、その中でも一番印象に残っているのは蘇州での沖縄そばの再現だ。「日本だったら、例えば製麺所から麺を仕入れたりと材料は簡単に揃いますがここではそうはいきません。現地の食材を使ったレシピの再構築や製麺機探しがどうしても必要で、正にゼロから作り上げたんです」。
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