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中国の煙霧問題に商機を見出す日本の製薬会社
  ·   2017-01-17  ·  ソース:
タグ: 大気汚染;漢方薬;中日交流
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中国では冬になり大気汚染が原因の煙霧に悩まされる日が多い一方で、小林製薬のような日本の製薬企業は「特需」に沸いているようだ。このような見方に驚きを感じるかもしれないが、決してネットユーザーのジョークでも、デマでもない。ある日本メディアの報道によると、小林製薬は、訪日中国人観光客にターゲットを絞り、漢方薬「清肺湯ダスモック」の生産量を2017年、16年と比べて3割増やす計画だ。そして、中国語で「大気汚染にぴったり」と記載した専用の店頭販促(POP)を作成し、中国人観光客がよく訪れるエリアにある、約60店のドラッグストアで掲示するという。日本の漢方薬の原料の約8割は中国から輸入されていることを考えると、このようなニュースには少し複雑な気持ちを覚える。(文:子長。南方日報掲載)

ネット上で少し検索して見ると、日本の漢方薬は、対象部位や使用量、作り方、生産などの面で明らかな差はあるものの、中国の「中薬」と酷似しており、どちらも中国伝統の医薬理論を基礎に、自然の植物を主な原料として作られている。関連の報道を見ると、近年、中国が国を挙げて「煙霧」の対策・改善に取り組む中、ダスモックは発売開始から人気がウナギ登りになり、中国人観光客に人気の代理購入商品になっているだけでなく、いくつかの記事では煙霧対策に効果的な「神器10」にも名を連ねている。しかし、よく調べてみると、漢方薬の「ダスモック」は主に慢性気管支炎、気管支喘息(ぜんそく)などに効果があり、日本国内ではそのターゲットは40-50歳の喫煙者で、宣伝文句のように本当に「大気汚染にぴったり」なのかは、専門家でない限りよく分からない。また、中国では最近、中薬が煙霧対策になるのかに関する専門家の見方が報じられた。先週は、河南中医薬大学が、専門家を招いて煙霧対策の中薬を調合してもらい、学生たちに無料で配布したことが話題になり、中薬を専門とするある教授が、「中国医学による治療により、煙霧が原因ののどの痛みやかゆみ、せきなど、呼吸器の不調を軽減することはできるものの、病理学的に本当に有効なのかは、さらなる研究が必要」との見方を示した。

12包入りで一箱1500円ほどのダスモックは、決して安い商品ではない。では、なぜダスモックはそれほど人気となっているのだろう?表面的に見ると、そこには多くのマーケティングの要素が関係している。まず、煙霧が健康に与える悪影響に対する関心が高まっているのを背景に、その分野に対する意識も高まっており、小林製薬は、PM2.5で空が白くかすんだ写真が入ったPOPで宣伝して、そのような消費者の心理を掴んでいる。しかし、もっと深い部分を考えると、「ブランド力」に要因があるだろう。日本で代理購入されている商品で、中国で人気となっている商品には、ダスモック以外に、小林製薬の蒸気アイマスク、熱さまシート、痛みどめ、軟膏剤などがあり、数多くの商品が高い評価を得ている。このような「ブランド力」があるからこそ、新しい商品の宣伝を見ると、消費者はすぐにその効能を信じる。そして、その商品が実際に症状を緩和させてくれると、その人気はもっと高くなり、さらに商品の売り上げが伸びる良い循環となる。漢方薬が人気を博していることについて、日本のある製薬会社の社長は、「漢方薬は『中国』というイメージがあるが、肝心なのは生産する際に生薬の成分をしっかりと分析し、細部に至るまで測定を行うほか、成分を組み合わせる方法や加工方法、商品化の形式などについても熟考しなければ、商品に対する信頼を向上させることはできない」と総括している。この言葉に問題のキーポイントが含まれているのではないだろうか。

中国にも、海外でも注目される「神薬」があるのだろうか?昨年、中国のある痔の治療薬が米国アマゾンで大人気となっているという報道があった。では、中国には海外でも広く認められている中薬のブランドがあるだろうか?「同仁堂」はその一つかもしれない。しかし、総じて言うと、米国で人気となったのは単一の商品で、「同仁堂」も市場の需要に対する反応は鈍い。そのため、海外での評価、少なくともそのブランド力という面では、小林製薬などとはまだ大きな差がある。さらに、一部の企業はマーケティングの面で、鳥インフルエンザでも煙霧でも、「これさえあれば全ての問題を解決できる」と言わんばかりに、未だに「万能薬」をすすめる傾向がある。これは消費者に対して責任感ある態度とは言えず、長い目で見ても、ブランドを維持することも商機をつかむこともできないという点は、目に留めるべき問題だ。(編集KN)

「人民網日本語版」2017年1月17日

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