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漢文学者・佐藤利行教授「漢字は中国文化の海外進出に
重要な役割」
  ·   2016-03-03
タグ: 漢字;中国文化;中日交流
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 大学生時の無心の研究が基礎に

佐藤教授によると、高校生の時に大学で理系を学びたいと思っていたものの身体検査で色盲であることが判明したため、文系に変更したという。そして、1976年、広島大学に入学し、中国文学を専攻した。当時、中国語は全く分からず、中国についてもほとんど知らなかった。しかし、同大学卒業後、同大学院文学研究科の修士・博士課程に進んで5年学び、「その期間が自分の成長にとってカギとなった。特に、中国古典文学研究の面で多くの成果を収めていた恩師の森野繁夫先生からはたくさんのことを学んだ。漢学研究には多くの時間が必要で、先生も私も週末も休まずに、朝から晩まで研究に没頭した」という。

その苦労は報われることになる。若い時に多くの論文や専門書を発表したほか、後の中国古典文学研究のための基礎を築いた。卒業後は、安田女子大学の講師や広島大学の文学部助教授などを務め、その期間も中国六朝文化の研究を継続。多くの研究成果を収め、論文や専門書を発表し続けた。著書「王羲之全書翰」(1996年)などは中国語に翻訳され中国でも出版された。

佐藤教授が初めて中国を訪問したのは大学2年生だった77年。当時の中国は改革開放(78年)前だった。2回目はそれから24年後の2001年。その20年以上の間に中国は大きく変化し、佐藤教授にとっては別の国を見るかのようだった。その時に、佐藤教授と中国の同分野の専門家との交流の門が開け、佐藤教授がセンター長を務める広島大学北京研究センターが02年に首都師範大学に設立された。その後、佐藤教授は中国に頻繁に訪問して、授業や講演、学術交流などを行った。これまでの十数年の間に、佐藤教授は200回以上中国を訪問した。

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