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金融危機防止を一刻たりとも疎かにしてはならない
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章玉貴 · 2017-08-15 |
タグ: 金融;中国経済;経済 | 印刷 |
こうした状況に、20年前に起きたアジア金融危機がまた別の形で起こるのではないかと心配せずにはいられない。特に中国が心配だ。1997年、中国はまだWTOに加盟しておらず、しかも世界の投資・貿易・金融体系に占める重みは小さく、経済リスクは主に国内のものだった。20年後の今日、中国はますます世界の投資・貿易・金融体系に組み込まれ、参画の深さ的にも広さ的にも空前のレベルになっている。中国は世界経済一体化の恩恵に浴すると同時に、極めて敏感な経済・金融波及メカニズムの作用の下で、受ける衝撃も日増しに強くなっている。
中国が直面する急務はもはや一般的な意味での開放と発展の問題ではなく、ますます不確実性を増す開放された世界で、いかにして中国経済が得難い発展の成果を固め、システミック金融リスク回避を強化するかである。中国が短期間のうちに西側先進国のような相対的に緩やかな外部救済体系ないしは相互支援体系を持つことは無理だし、人民元はまだ真の意味での国際化を実現していないため、システミックな経済・金融リスクが発生した場合、米国のように対外的に金融リスクを分散するルートがない。そのため危機を未然に防止することにより多くの精力を注がなければならない。
幸いなことに、最高政策決定層はすでに自発的にシステミック金融リスクの回避と積極的解消を今後しばらくの経済活動重要目標に据えた。先月行われた全国金融工作会議で、国務院金融安定発展委員会の設置を決定し、中国人民銀行(中央銀行)のマクロ・プルーデンス管理とシステミック・リスク回避の職責を強調したことは、まさにこれまでの経験と教訓をベースにして、中国が真の意味で複雑な金融リスクに落ち着いて対応する体制を確立していないという客観的現実に基づいて行われた、先見性のある戦略的配置であった。
実体経済の発展と内生的技術の進歩を深耕し、至る所にあるリスクに対する意識を終始高め、金融体系の穏健さを引き続き強化し、金融危機の早期警戒能力を向上させて初めて、ますます複雑になる経済金融の世界で、事前の備えをし、十分な政策ツールを備え、中国経済の安定的発展を確保することができる。
(章玉貴、上海外国語大学国際金融貿易学院院長)
「北京週報日本語版」2017年8月15日
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