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金融危機防止を一刻たりとも疎かにしてはならない
章玉貴  ·   2017-08-15
タグ: 金融;中国経済;経済
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金融の常識を持つようになった人々が10年前に起こった100年に一度の金融危機を振り返る時、多くの人の脳裏にきっとこんなキーワードが思い浮かぶだろう。パニック、不確実性、非常に敏感な波及メカニズム、そして経済システムに対する極めて大きな破壊性。

あれから10年が過ぎた。金融危機の発信地だった米国でも、打撃が最も深刻だった欧州でも、それぞれの金融体系を修復し、実体経済を振興するために、量的緩和やデレバレッジ、製造業回帰、保護貿易主義など様々な措置が講じられてきた。各国のエコノミストたちが様々な角度から金融危機を研究し、危機の深層原因と防止措置を見つけ出そうとしてきたが、「金融危機の悪影響はすでに取り除かれた」と言う大胆な者はいない。ましてや、「さらに大きな規模の世界金融危機は今後もう起こらない」と請け合う勇気のある者は誰もいない。

国際通貨基金(IMF)のデータによると、2007年から2009年の間に、世界の債務がGDPに占める割合は約200%から220%に上がった。2015年末には史上最高の225%に達し、そのうちおよそ3分の2が私営部門の債務だった。国際金融協会(IIF)の最近の報告書によると、家庭、政府、企業を含む全体債務水準はこの10年で70兆ドル以上増え、世界の債務総額は217兆ドルに達し、世界のGDPの327%となった。同時に、新興市場で急速に膨れ上がる債務負担も、ますます懸念されている。

IIFのデータによると、新興市場の債務水準は2016年末、そのGDPの215%に相当する55兆ドルに達している。そのうち、中国は世界の債務増加の主な原因となっている。2017年第1四半期、中国の非金融部門債務のGDPに占める割合は242%に達し、史上最高を記録した。現在、世界第2の経済体である中国の負債率は第1の経済体である米国に匹敵する。しかし米国の1人当たりGDPは中国の7倍に相当する5万5900ドルに上り、しかも早くから確立された充実した社会福祉保障体系がある。比較してみると、中国は現在もまだ多くの貧困人口を抱えている。全体経済が最も先進国レベルに近い上海でも、年平均所得が3000ドル未満の人が依然として少なくない。

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