国民生活の保障・改善は２０１７年も政府活動における重点中の重点であり、経済の安定成長回復が雇用と住民所得の増加にとってより確かな支えとなるだろう。２０１７年の消費は引き続き安定した成長を保ち、しっかりと経済成長を支えると見られる。

以上の分析を総合すると、２０１７年の中国経済成長は全体的に安定したものになり、水準は２０１６年を下回らないと予想される。

成長の質を高める

現在中国経済は高速成長から中高速成長へと入るターニングポイントに近づいている。このターニングポイントは一般的な景気変動とは性質が異なるものだ。着実に中高速成長に入るということには、成長レベルの安定も含まれれば、成長モデルの転換も含まれる。需要と供給を両立させ、短期目標と長期目標を結びつける方法を引き続き堅持し、安定した需要と安定した成長に焦点を定め、供給側（サプライサイド）構造改革の推進に力を入れ、経済の中高速成長の基盤をいっそう固め、成長の質を高めていかなければならない。

積極的な財政政策の役割をさらに増強しなければならない。政府投資能力をさらに高め、インフラ投資を強化し、新型都市化と「一帯一路」のプロセスを促進していく必要がある。金融政策は穏健な基調を堅持し、資金投入の水準、タイミング、方向性を合理的にしっかりとコントロールし、金融リスクを防ぎ、人民元レートを安定させ、実体経済の発展を促進していくべきである。新型都市化プロセスを積極的に推進し、人気が急上昇している二線都市の都市化プロセスをしっかりと導き、一線都市を中心とした若干の大都市群の発展推進を加速していく必要がある。基本的な経済制度の整備に注力し、開放的で、秩序があり、競争のある市場環境を早急に形成し、財産権保護制度を整備・厳格化し、国有資産損失の責任を厳しく、かつ迅速に追究する。また、個人と法人の社会信用リスク管理システムを早急に整備する。「簡政放権」（行政の簡素化と権限委譲）の推進を堅持し、緩和と管理を融合し、サービス改革を最適化し、政府と市場の職責と分業をさらに合理化する。社会のセーフティネットを築き、さしあたっての対応と長期的な対応を両立させ、差し迫って解決が必要な国民生活に関する問題と長期的な社会保障制度構築の目標を統一的にしっかりと計画しなければならない。（張立群・国務院発展研究センター・マクロ経済研究部研究員）

「北京週報日本語版」2016年12月13日