李氏は16年の最後の2カ月の人民元相場の変動状況について、「値下がりする可能性は小さい」との見方を示す。「現在のリズムから考えて、人民元の年内の値下がりを示唆する悪材料はほぼ出尽くしており、さらに値下がりすれば大規模な為替差損をもたらすことになる。だが注目すべき点は、17年になると値下がり圧力が年初の5万ドルの両替限度額の小規模ピークの訪れにともなって増大する可能性があるということだ」という。
李氏は続けて、「実際、人民元値下がりは必ずしも悪いことばかりではない。中国の歴史や他国の歴史を研究すると容易にわかることは、株式市場や不動産市場を含む資産の価格とレートの変動との間には必然的な関係はなく、国の経済成長の動きや関連する金融政策によって決まる部分の方が大きいということだ。価格は市場の需給のバランスをはかる最も効果的なツールで、これまでより多く利用されてきたのは金利によるバランス調整だった。今、8月11日の切り下げ調整を経て、レートもこうしたツールの1つになっており、金融政策の可能性を拡大し、経済の弾力性を高め、中国経済に朗報をもたらしている。より客観的にいえば、人民元値下がりにより中国経済が一層早く正常化を実現できるならば、資本市場の健全な発展にプラスにはたらくことになる。そこで、人民元値下がりを単なる悪材料とばかりみなすべきではなく、人民元が圧力を受けることの利害に正確に対処すべきだ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2016年11月15日