今年初め下落を経験した世界の株式市場は現在、各国の中央銀行の「顔色」を見る状態となっている。しかし、緩和が主な基調であっても、各国の中央銀行の通貨政策は多様化している。多くの国がマイナス金利に舵を切っているものの、国際決済銀行(BIS)は、「マイナス幅がさらに広がる場合、もしくはマイナス金利が長期間続く事態になれば、今後の動向にさらなる懸念が生じる」と警告している。また、世界の投資家も通貨政策が需要を刺激できるかには懸念を示しており、それも世界の株式市場の不安定化に拍車をかけている。
欧米の株式市場や原油価格は上昇に転じたものの、世界市場や経済は先が見えない状況が続き、債券市場のトレーダーは、FRBの6月の利上げに注目している。米国の先物市場のデータによると、債券市場のトレーダーは現在、FRBが6月に利上げする確率は50%と予測しており、3月の利上げの予想を上回っている。米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の記者・Jon Hilsenrath氏はこのほど、「世界市場・経済の先が見えず、FRBの今週のFOMCは、様子見となるだろう。利上げは4月か6月になるはず」と予想した。
日銀に関しては、多くの投資家が緩和政策を進めるのならマイナス金利のカードを今後も切る可能性が高いと見ている。しかし、日銀が切れる緩和政策のカードは少なくなっているため、今後は円高が進むと予測されている。米商品先物取引委員会(CFTC)のデータによると、先週円の買い越しは6万4333枚と、前週の5万9625枚から増加し、2014年7月以来の高水準となった。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年3月14日