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調整期に入った世界経済 急がれる中日連携
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陳言 · 2016-02-29 · 人民中国 |
タグ: 世界経済;中日連携;経済 | 印刷 |
2016年に入り、実体経済の不振により、原油価格は30㌦以下に急落し、世界の株価も同時に下がり、金融危機が実体経済をさらに制約することにより、2018年前後に起こると予測されている世界危機の到来が早まる可能性が高くなった。危機の到来を遅らせるためであろうと、次に来る危機の深刻さを緩和するだけであろうと、世界経済の機関車は東アジアであり、取り分け、中日両国が重要な役割を担っていることは確実である。中日双方が冷静に危機の解決策を検討し、危機の度合いを共同で緩和することが、中日両国にとって、また世界にとって、重要な意義を持っている。
グローバル化に反する政策
今年以降の世界経済を展望すると、成長率の鈍化あるいは衰退が最も大きな特徴である。国際通貨基金(IMF)が提供したデータは、各国政府が発表したデータと相違点があるが、同じ基準で世界の成長を見ると、今年、日本の国内総生産(GDP)成長率は2015年と同様の0.8%を維持する見込みだ。中国は6.8%から6.3%に下がり、米国は2.6%から2.8%に増加する。欧州は基本的に足踏み状態にあり、ドイツは1.5%から1.6%に、フランスは1.2%から1.5%に、英国は2.5%から2.2%―と予測されている。資源大国のロシア、ブラジルは世界平均ライン以下でもがく状態となり、新興工業国の中では、インドも好転するとは言えない。
高度成長の段階を経て、ある程度の減速あるいは停滞が起こるのは経済法則である。今年の減速を展望すると、世界経済が構造的な変化をしつつあることがわかる。1990年前後、東西冷戦が終わり、グローバル化は時代の潮流となった。30年周期の世界景気循環説から見ると、2020年前後に新たな転換点が訪れる見込みだが、一地域の10年周期の景気循環(1997年のアジア通貨危機、2008年の米国リーマンショック)の影響で、転換点の訪れが早まった。インターネットを代表とするグローバル化は景気循環の周期が早まり、2018年前後に到来する見込みの新たな危機が、2016年あるいは2017年に早まるかもしれない。
グローバル化の特徴の一つは、局部的な危機が全体に広範囲の影響を及ぼすことだ。中国の生産能力過剰は、中国一国の問題に見えるが、実はそうではない。これにより、ロシア、ブラジル、オーストラリアの資源輸出の不調を招き、この問題が今回の原油価格急落の遠因の一つでもある。「日本経済新聞」など一部の日本メディアはここ数年続けて、中国衰退によって、日本経済の発展にチャンスをもたらすことができると繰り返してきた。しかし、実際に中国経済が本当に崩壊したら、最も大きな影響を受けるのは中国の隣国である日本であり、日本は「失われた20年」からの脱出はいっそう難しくなる。
世界経済がグローバル化する中で、世論で中国を孤立させることや、環太平洋経済連携協定(TPP)によって中国を排除すること、中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に断固反対の態度を取っていることなどは、単にグローバル化に適応していないだけで、持続するのは不可能だ。
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