中国は今や世界第2位の経済体に成長し、その一挙手一投足が世界の視線を引きつけている。同時に、発展の過程でさまざまな問題が出現した場合にも、中国経済崩壊論を唱える人々によって誇張されるのが常である。先日、李克強国務院総理は夏季ダボスフォーラムに出席した企業家代表と会見した際、人民元小幅調整が引き起こした外部の憂慮を「伏せていても弾にあたる」(非難されるようなことをしていないのに責められる)という言葉で形容した。実際には、中国経済は全体的に安定して発展しており、世界経済リスクの発生源でないどころか、むしろ世界経済の成長原動力の源泉だ。先ごろ、楼継偉財政部長と周小川中央銀行行長はG20財務相・中央銀行総裁会議で、「中国は国内経済発展の趨勢に合致するという前提の下で、世界経済発展のためにしかるべき貢献を行っていく」という中国の立場を全世界に向けてはっきり表明した。
重要な影響力持つ中国経済
改革開放以降、中国経済は急速に成長し、経済規模は日増しに増大し、世界に対する影響はますます大きくなっている。清華大学中国・世界経済研究センター研究員の袁鋼明氏は、「国外メディアが中国について報道する時、『中国は現在すでに世界第2の経済体である』というフレーズを使うようになった。中国の影響力は多くの面で米国をも凌ぐ。現在、中国経済の重要度は最も高い」と指摘する。
中国の経済発展は世界が注目する成果を上げたが、長い間の高度経済成長によって蓄積された問題もますます顕著になっている。楼継偉財政部長は、「過去数年、中国は経済刺激策により9~10%成長率を維持してきたが、こうした成長は持続可能なものではなく、中国経済の潜在的成長率も超えていた。今後5年、中国は経済構造調整の痛みに耐えなければならないだろう」と率直に語る。
瑞銀証券チーフエコノミストの汪涛氏は次のような見方を示している。「不動産業の在庫処分はまだ終わらず、不動産建設は減り続けており、これが経済にとって最大の下振れ圧力となっている。中国は現在ゆるやかな生産能力淘汰と金融システム不良資産整理の過程にあり、加えて企業の債務返済負担が重く、デフレ懸念もあるため、来年及びそれ以降、企業投資とGDP成長はおそらくより大きな圧力に直面するだろう」。