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中国で「千と千尋の神隠し」が大ヒット 「懐かしさ」にお金を払う観客
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· 2019-06-25 · ソース:人民網 |
タグ: 映画;アニメ;文化 | 印刷 |
〇映画館にとって望外の喜びとなった大ヒット
「18年間も待ったが、ついにその時がやって来た!」、「必ず見に行かなければ!子供と一緒に自分が幼いころの名作をもう一度味わいたい」。これらは、映画チケット購入専門アプリ「猫眼電影」に寄せられた、熱心なユーザーからのコメントだ。古い映画がリバイバル上映された時の観客の反響が乏しいという従来の状況とは異なり、今回の「千と千尋の神隠し」の中国初公開に対する観客からの声は完全に一致し、期待にあふれている。
プレミア上映とチケットの前売り状況が、その最も良い証拠になっている。同作品は6月15日に全国でプレミア上映され、着席率は97%に達し、毎回ほぼ満席となった。20日午後の時点で、チケット予約販売額は1800万元(1元は約15.6円)に達し、同時期に公開中の最大のライバル映画「トイ・ストーリー4」の2倍以上に達した。
「これほど売れるとは、本当に予想外だった」。公開に先立ち人気が盛り上がったことについて、百老匯電影中心の富偉建・市場総経理はこう驚きの声を上げ、現在の観客のテイストは「掴みにくいところがある」と指摘する。富さんは、「この1-2年の興行収入を見ると、日本のアニメはそれほど良い成績を残しておらず、『コナン』や『ドラゴンボール』、『ドラえもん』も芳しくなかった。だが、『千と千尋の神隠し』の前売りは飛ぶように売れ、これまでの経験が覆された。北京の百老匯影城では2つのスクリーンで『千と千尋の神隠し』をプレミア上映したが、すべて満席。このような状況は、これまでは大作映画でしか起こらなかったことだ」と驚きの色を隠せない。
〇名作は繰り返し観る価値あり
大象電影メディアディレクターの肖副球さんは、「『千と千尋の神隠し』の人気がこれほど盛り上がったのは少しも意外なことではない。昨年、宮崎駿監督作品『となりのトトロ』が中国国内で初公開されたが、それがちょっとしたトライアルになった。『となりのトトロ』の最終的な興行収入は1億7千万元に達し、なかなかの興行成績だった。『千と千尋の神隠し』は多くの映画ファンから最も優れた作品の一つと見なされており、世界規模で数多くのファンがいる。また、今回の上映期間をみても、その人気に匹敵するような同時期公開作品はまだない」との見方を示した。
映画評論家の周黎明氏は、「自分自身、大型スクリーンで『千と千尋の神隠し』が初上映されることを心待ちにしていた。この作品は、世界で最も素晴らしいアニメーション映画の一つであり、世界でも上位10位に入る。また、この作品はどの年齢層が観ても楽しめるようになっており、繰り返し観るのに適している。20歳の時と40歳の時とでは、全く異なることを感じるだろう」と指摘した。
今回の「千と千尋の神隠し」中国初公開にあたり、国内の宣伝企業もさまざまな準備を重ねてきた。中国語吹き替えバージョンでは、周冬雨(ジョウ・ドンユィ)や井柏然(ジン・ボーラン)、彭昱暢(ポン・ユィチャン)、田壮壮(ティエン・チュアンチュアン)、王琳(ワン・リン)などが吹き替えを担当し、また、歌手の周深(ジョウ・シェン)が中国語版主題歌を歌った。著名な映画ポスターデザイナーの黄海氏が新しくデザインした2種類のポスターは、微信(WeChat)のソーシャル機能「モーメンツ(朋友圏)」で大きな話題となっている。
「千と千尋の神隠し」の上映は「ノスタルジーを売っている」との声があるが、周氏はこれに対し、「本当に『ノスタルジーを売っている』としてもそれはどうでもよいことだ。リバイバル上映できるかどうかは市場の成熟度と直接関係している。5年前だったら、この映画の上映は想像もできなかった。『千と千尋の神隠し』のような優れた作品であると同時に大衆向きの映画であれば、現在の新作映画と比べても、ほかの作品が取って代われない魅力を備えている」と述べた。(編集KM)
「人民網日本語版」2019年6月25日
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