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日本、論文をめぐる不正が多発 科学研究会の「癌」
  ·   2018-01-26  ·  ソース:
タグ: 日本;論文;文化
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近年、日本の学術界では不正問題が後を絶たない。「学術界のアイドル」といった存在で話題となった、独立行政法人理化学研究所の小保方晴子さんのSTAP細胞論文問題をはじめ、昨年は東京大学の渡辺嘉典教授の複数の論文に不正があったことが判明した。さらに、最近また、ノーベル生理学・医学賞を受賞した山中伸弥教授が所長を務める京都大学iPS細胞研究所の論文に捏造と改ざんがあったことが明らかになった。論文をめぐる不正が今、日本の科学研究界の“癌”となり、その信頼が大きく揺らいでいる。 

京都大学iPS細胞研究所は、iPS細胞(人工多能性幹細胞)の研究においては、日本、ひいては世界でトップクラスの研究所だ。同研究所は22日、山水康平助教が中心となって2017年2月に米科学誌ステム・セル・リポーツに発表した論文を構成する図や補足図に計17ヶ所で捏造と改ざんがあったとする調査結果を発表した。同研究所の論文不正が発覚したのは今回が初めて。

京都大学は論文の撤回を出版社に申請しており、今後、山中教授を含む関係者の責任を追及するという。山中教授が所長を辞任する可能性もある。

非常に多くの細胞に分化でき、分裂増殖を経ても分化万能性を維持できるiPS細胞は、再生医療において「万能細胞」と見られている。日本政府は、再生医療などの最先端医療技術を「新経済成長戦略」の主要な柱としている。2013年、日本政府は、今後10年、iPS細胞の研究に約1100億円規模の支援を行う意向を示した。日本メディアは、今回の論文をめぐる不正問題により、日本のiPS細胞研究という「金字塔」の信頼が揺らいだと報じている。大阪大学の中村征樹准教授は、「社会全体のiPS細胞の研究に対する期待は非常に高い。山水助教らはその期待に応えたいという思いで、データの改ざんをしてしまったのだろう」と分析している。

近年、日本の学術界では不正問題が続出している。14年、理化学研究所の研究員だった小保方さんのSTAP細胞論文をめぐる不正問題が日本に激震を走らせ、世界中の注目を集めた。それにより、「学術界のアイドル」といった存在で話題となった小保方さんは全てを失うことになり、早稲田大学の博士学位は取り消された。また、彼女の上司であり、STAP細胞に関する研究の指導を行っていた発生学者の笹井芳樹氏は自殺に追い込まれた。この事件を皮切りに、日本の学術界では不正問題が続出し始めた。   14年12月、東京大学の研究グループの11人が論文33本でデータ捏造などの不正を行っていたことが発覚。15年3月には、熊本大学教授の研究チームが論文9本で画像流用などの捏造を行っていたことが判明し、16年には筑波大准教授が論文2本で第三者の文章を盗用していたことが分かった。さらに、17年8月には、東京大学の著名な細胞生物学者・渡辺嘉典教授が論文5本で図表や画像の捏造、改ざんを行っていたことが判明した。

一連の不正により、日本の科学研究界のメンツは丸つぶれ。関係者にも厳しい処分が科されている。それでも、巨大な利益という誘惑やプレッシャーがあるため、不正を根絶するのは依然として難しい状況が続いている。

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