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本場とは異なる海外の中国料理、その成り立ちの背後にあるもの
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· 2016-08-11 · ソース:人民網 |
タグ: 海外;中国料理;文化 | 印刷 |
メキシコ国境近くの都市メヒカリで、中国料理店に入ると、まず運ばれてくるのはお茶ではなく、メキシコ料理に欠かせないレモンとサルサ・ソース、トルティーヤ・チップスだ。席に座って周囲を見てみると、メキシコ人たちはスペアリブのから揚げにレモンを絞り、さらに、鮮やかな赤のサルサ・ソースをつけて、とてもおいしそうに食べている。この地では既にこのような「中国料理」が伝統的なメヒカリの美食として、人々の日常生活に溶け込んでいる。人民日報が報じた。
さらに国境を超えた米国のカリフォルニア州に建ち並ぶ、賑やかな中国料理店では、スイートサワーチキンやブロッコリーと牛肉炒めなど、中国ではあまり聞いたことがない料理が特に人気となっている。食事を終えて支払いをするとフォーチュン・クッキーがもらえる、これが中国料理店での定番となっているそうだ。
米国におけるいわゆる「中国料理」は本場の中国料理とは全く異なっている。そのため、海外旅行に出かけた中国人は口を揃えて「全然違う」と言い、「中国料理の名に傷が付く」という声さえある。一方で「どうしてこのような本場中国とは異なる『中国料理』が現れたのだろう?」と深く考える人はほとんどいない。味を現地の人の好みに変えていることは理由の一つとして挙げられるが、ただこれが全ての理由ではない。 ブロッコリーと牛肉炒めは中国ではあまり聞かないものの、アブラナ科の緑黄色野菜・カイランと牛肉炒めは良く知られている。また、スイートサワーチキンとは、広東料理でおなじみの酢豚が起源だ。米ニューヨークの中華街の中国系住民は、「ニューヨークタイムズ」の取材に対して、「米国式中国料理」について、「ここで生まれ育ったある友人が、祖父が食事に来る理由は、ここの料理を食べると、米国に来たばかりのころに食べた物を思い出すからと言っていた」と語っている。
19世紀の半ばから、米国のユニオン・パシフィック鉄道の建設現場で働くため、多くの中国人労働者が海を渡った。異国の地で過酷な労働をしていると、故郷の料理の味が自然と恋しくなるものだ。そのため、カイランの代わりにブロッコリーを使い、酢の代わりにレモン汁を使うなど、限りある食材と料理の腕を駆使したのだ。そしてそれが「本場とは全然違う中国料理」の始まりとなったのかもしれない。できる限り中国料理らしさを残そうという努力と共に、ある種の創作も加えられているのだ。
中国人からすると、そのような海外の中国料理は、「全然違う」のかもしれない。しかし海外の人々にとっては、それは中国について知る知識の重要な部分となっている。また、そこから苦労して必死に頑張り、最終的に海外に渡った中国人たちが自分たちの方法で現地の生活に溶け込んでいった100年あまりの歴史のありさまも読み取ることができるのだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2016年8月10日
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