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インタビュー前にパンダの図柄の蜀繍(四川省産の刺繍)を木寺大使にプレゼントした。木寺大使は感激した様子で受け取ると、1986年に初めて成都を訪れた際に蜀繍を目にしたが、値段を聞くと高すぎたので買えなかったと話した。木寺大使は立ち去る間際にも蜀繍に言及し「妻は気に入って手放さないはずです」と述べた。 |
日本の木寺昌人駐中国大使の就任について、メディアは「危急存亡の時に命令を受けた」と報じた。木寺大使は複雑な中日関係にどう対処するのか?王毅外相の就任に何を期待するのか?木寺大使が華西都市報の単独インタビューに応じた。
日本メディアの記者は以前、外務省出身の木寺大使がメディアのインタビューに応じることは少ないと語った。中国に着任後、メディアのレンズに映る木寺大使は厳粛な表情で、笑顔を見せることは少ない。
「記事の中で私の性格を描き出してください」。木寺大使は読者に厳粛以外の別の側面も知ってほしいようだ。
木寺大使はプロの外交官であり、インタビューでも「率直に意見交換」「親しく会見」といった外交辞令を使う習慣がある。記者が鋭い質問を突きつけると質問を綿のようにやわらかく遮り返してくる。インタビュー中に両国の政治・経済の敏感な問題に話が及ぶと、木寺大使は慎重に言葉を選んだ。
両国関係について語り出すと、厳粛な表情になった。両国の経済交流について語る時、その目の表情からは熱望がにじみ出た。パンダについて語る時には目を細めて笑い、身振り手振りをした。
木寺大使の名刺は白黒で「日本国駐中華人民共和国特命全権大使」と印刷してある。日本にいる中国人記者によると、名刺は着任前に用意されたもので、「心はすでに中国に到着しました」と語ったという。木寺大使は1つには日本政府の利益を守るために、もう1つには冷え込んだ中日関係の回復を望んで大使を務めている。
■着任「大使はずっと待ち望んでいた仕事」
記者:駐中国大使を務めることは緊張しますか?
木寺大使:私は緊張することもありますが、わりと楽観的な性格なので、基本的にはリラックスしています。
記者:外務省から大使就任の件について聞いたのはいつですか?その前から心の準備はできていましたか?
木寺大使:大使就任という知らせは、どの時期に聞いたとしても驚いたことでしょう。しかし長年外交官を務めており、国に尽くすことが私の仕事です。責任重大ですが、やはり任命を受け入れました。日本国の大使として、日中友好関係の拡大と発展に全力を尽くすことを決意しました。
記者:「特殊な時期」の駐中国大使として、仕事の重点は何でしょうか?
木寺大使:日本の駐中国大使として、日中友好関係の拡大と発展が私の最重要任務です。現在日中関係には困難が生じていますが、こうした時期であればあるほど、両国は全ての分野で意志疎通を継続、強化し、経済・文化分野の交流を積極的に拡大すべきです。日本大使館は中国各地の日系企業に助力し、日中の経済関係の発展を促すことを望んでいます。
それと同時に、青少年交流や文化活動といった民間交流の支援にも力を入れたいと考えています。今年3月に私たちは本当の日本を見てもらうため、中国各地の大学生約80名と若手の中国メディア関係者約90名を日本に招待しました。外交の仕事に魔法や奇跡はなく、地に足のついた努力が極めて重要だと私は考えます。可能な限り多く直接会って話をするとともに、日中間の文化交流を促進し、両国民の相互理解を深めたいと思います。
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