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また桜の季節がやってきた。昨年3月と比べれば、今年の日本の桜鑑賞は以前の人気を取り戻している。沖縄へのチャーター機はすでに満席だ。昨年の大震災は巨大津波を引き起こしただけでなく、放射能漏れ事故も発生し、韓国や中国を含む諸国家で未曽有のパニックを引き起こした。地震の当日から旅行会社は訪日旅行を全て中止し、ツアー中の団体も、様々な方法でただちに帰国した。航空会社は中国人を帰国させるための特別チャーター機も手配した。地震が発生してから2か月あまり経過した頃、中国国家旅行局の「中国人の日本観光に関する安全調整の通知」によって、広東省の大部分の旅行社が訪日観光ツアーを徐々に開始していった。しかし航空券価格はピーク時に比べて半分に下落した。放射能の影響が依然として不明確なため、市場の反応が芳しくなかったのである。
日本観光を中国人観光客にアピールするため、広州の日本総領事館と沖縄県は昨年7月1日、「三年マルチ」の観光ビザ政策を施行した。同年8月、外務省は中国人の観光ビザの制限を再び緩め、滞在期限を15日から30日に延長した。これらのビザ優遇策に、中国の観光客は迅速に反応した。国慶節である「10月1日」のゴールデンウィークや冬休みシーズンに入ると、訪日観光客の人数は昨年同期並みに回復した。統計データによると、2011年12月の訪日中国観光客数は2010年度同期と比べプラス32%と大幅に増加した。総数は8万人に達し、史上最高となった。
現在、広州の訪日パッケージツアーの価格は震災前の水準に回復しただけでなく、桜の季節になったことで、ほとんどがソールドアウトとなっている。震災後、日本観光がこのように迅速に回復したのは、日本が常に様々なやり方で海外の観光客に安心感を与えてきたことと深い関係があると筆者は考える。実のところ震災は日本の観光業にとって致命的なダメージとはなっていない。むしろ福島の放射能がもたらす影響のほうが大きかった。放射能の影響は地域によって差がある。情報をどう観光客に伝えるべきか。観光客の不安をどう取り除いてあげるべきか。こう考えたとき、最も良い方法は、観光客が自ら体験することであり、その後口コミでその体験を広げてもらうことだった。震災後、日本は海外の観光客を惹きつけるため、放射能の影響が最も少ない沖縄を突破口として、一連の観光客優遇措置を採ったのだ。結果として、その効果は抜群だった。
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