本誌記者 曾文卉
今年の「両会」開催前に人民網が行った「2012年に最も関心を持っている十大注目問題調査」で、社会保障、教育不平等、医療改革、不動産価格調整など20項目のうち、「所得分配」は2位になった。それだけではない。「貧富の格差縮小」は新華網の「2012両会調査」注目度ランキングでは1位だった。3月5日、温家宝国務院総理は『政府活動報告』の2012年主要任務において、重点分野改革の更なる推進の面で特に「所得分配制度改革の深化」に触れ、政協委員らの関心を集め、盛んに議論された。
元国務院発展研究センター副主任で、全国政協常務委員の孫暁郁氏は本誌の取材を受けた際、「所得分配問題は全国民が注目する問題だ」と述べた。所得分配制度の改革は差し迫って解決が必要な重要課題である。
孫暁郁氏
低い住民所得比率
温家宝総理は『政府活動報告』で、国民所得分配における住民所得比率を高める努力をすべきだと提言した。現在、国民所得分配は政府部門と企業部門に傾きすぎており、住民所得の比率は下がり続けている。
全国政協委員で元国家開発銀行副行長の劉克崮氏は全国政協第2回全体会議で発言し、中国の企業、政府、住民の三大部門のうち、1992~2008年の住民部門の初期分配比率は66%から57%に下がり、再分配比率は68%から57%に下がったと指摘した。
劉克崮委員が提示したデータによると、国民所得分配のうち企業部門(金融・金融以外を含む)の比率は明らかに上昇し、1992~2008年の企業部門の初期分配比率は17%から25%に上がり、再分配比率は12%から22%に上がった。
劉克崮氏は企業部門の比率が高すぎると考える。劉氏は「企業部門比率を安定を保ちながら適度に下げる。資源超過利益税を強化し、独占的国有企業の利潤上納水準を上げ、参入許認可のハードルを下げる。必要であれば、国有資本経営予算収益の一部を社会保障の支援にまわす」との提案を行った。
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