海外利害密接関係地域 

中国政府は2015年5月26日に発表した国防白書「中国の軍事戦略」の中で初めて「中国の軍隊は海外利害密接関係地域での国際的な安全保障協力を強めなければならない」という記述を盛り込んだ。海外利害密接関係地域とは、中国の海外での利益の存在と、客観的かつ密接に関わっている地域である。これらの地域は、排他性を持たないし、対抗性も持たない。中国は永遠に覇を唱えないし、勢力範囲の分割をもくろんだりもしないし、軍事同盟を結んだり、軍事的拡張も行わなず、終始国際的な安全保障協力に力を尽くす。ここで説明が必要なことは、中国は海外での利益と安全を守るが、自らの利益だけを追求することはなく、自国の利益と各国人民との共通の利益を統一して、国際社会に安全公共財を提供することに力を尽くし、世界の平和と地域の安定の維持する上で積極的役割を果たす。例えば、国連の決議に基づいて、2008年より、中国はソマリア、アデン湾海域で航行護衛任務を執行しており、中国海軍の艦艇は本国の船舶だけでなく、国際組織や外国の船舶の護衛にも当たっている。