李克強総理の今回の訪問は2つの大きな成果を上げた。1つは、経済貿易で飛躍的進展があったことだ。この点は李総理の随行員構成から見て取れる。今回の随行員のうち、外交官のほかはほぼ全員が経済核心部門の責任者であり、ほかにも中国の企業家200人余りが随行するという強力な陣容だった。李総理の今回の訪問期間中、中英は40余りの政府間協定と商業協定に調印し、その分野はエネルギー、投資、文教、ハイテク、金融など多岐にわたり、総額は約300億ドル余りと、これまでで最高額となった。また中国とギリシャは、インフラ建設、文化、海洋、品質検査などの分野にわたる一連の政府間協定と商業契約を結んだ。
もう1つは、李克強総理が中国・ギリシャ海洋協力フォーラムに出席し、演説で中国の海洋観を述べることだ。海洋経済は世界中でますます重視されるようになり、海洋経済学には水上運輸や海洋資源開発など多くの内容が含まれている。中国は今、ますます海洋経済を重視しつつあり、中国の海洋観は国際社会の注目を浴びるはずだ。
中国・欧州間の関係は互恵的なウィンウィンの関係だと言える。中国・欧州間の経済貿易連携はますます緊密になり、中英間だけでも、二カ国間貿易額は昨年700億ドルに達した。これは10年前の3倍以上にあたる。中国の対英投資は過去2年130億ドルに上り、過去30年の総和を超えた。ロンドンは今も中国の海外最大の人民元オフショアセンターだ。
しかし中国・欧州間の関係はしばしば外部からの雑音に邪魔されている。例えば中英、中仏はかつて英仏両国政府がそれぞれチベット分裂主義者ダライ・ラマと会見したことで関係が悪化し、二カ国間関係の全面的発展に影響が及んだ。
中国の新中央指導部とEU各国の政治家・有識者がともに努力をしたことで、現在、中英、中仏及び中国・欧州関係は回復し、中国・欧州間の経済貿易、政治、教育、観光、生態環境など各方面の協力は順調に進んでいる。中国政府が推し進める「シルクロード経済ベルト」は、欧州大陸を最終目的地としており、現在と未来の中国・欧州経済貿易を結ぶ新たな絆である。我々は、未来の中国・欧州関係が各国政府・国民の後押しを受けて調和的かつ健全に発展し続け、中国と西洋の間で古代シルクロード時代に繰り広げられた輝かしい交易の歴史が再現されることを願っている。
「北京週報日本語版」2014年6月19日 |