中国国務院の李克強総理はロンドンの首相官邸で現地時間17日午後、キャメロン英首相と中英首相の年次会談を行った。双方は、中英の全面的戦略パートナーシップ樹立10周年をきっかけに、両国関係を新たな段階に引き上げることで意見が一致した。
李総理は、「中英は両国の発展過程と国情を鑑み、成長・改革・革新を突破口とし、実務協力のレベルを高める必要がある」とし、協力の深化について以下のように提案した。
・貿易の規模を拡大し、2015年までに二国間貿易額を1000億ドルとする目標を実現すべく取り組む。
・原子力発電、高速鉄道、インフラ建設、都市化などの分野での協力を推進する。中国は自国企業に対し、英国の関連プロジェクト建設への参与を奨励する。英国からも引き続き支援と便宜が得られることを望む。
・金融協力のレベルを引き上げ、人民元と英ポンドの直接取引を実現する。英国で人民元取引の決済銀行を設立し、年内に中国系銀行が英国で支店を開設できるようにする。
・中英科学革新基金を活用し、科学技術革新、グリーン経済、医学、航空といった分野での協力を強め、科学研究・教育交流を密に行う。英国側が、民用ハイテク製品の対中輸出を促進するための具体的措置を講じることを望む。
・両国の人文交流を強め、中英協力の力をより大きなものにする。
李総理はまた、英国側が中国人の英国ビザ申請手続きを簡略化したことを高く評価した。
キャメロン首相は、両国の協力深化に関する李総理の提案に同意を示し、「英中の全面的戦略パートナーシップが樹立されてから10年、各分野での協力は豊かな成果を得た。中国の台頭は世界的な意義がある。英国は中国との関係を高く重視しており、中国と相互に尊重し合い、誠実な対話を行い、経済貿易・金融・教育・科学・原子力発電・高速鉄道などの分野での協力を深めていきたい。中国企業の英国での投資、および中国人学生の英国での留学を歓迎する」と述べた。
李総理はまた、「中国は世界平和と地域安定の守護者だ。国連安保理常任理事国である中英両国は、国際・地域社会における意思疎通と協力を強め、世界の貿易投資の自由化・利便化を共に推進し、世界平和と繁栄を促進していく必要がある」と指摘した。
キャメロン首相はこれに対し、「両国は国際社会において欠くことのできないパートナーだ。英国は開放的で自由な貿易政策を励行しており、EUと中国間の投資協定交渉および、自由貿易協定(FTA)締結を積極的に推進していきたい」と述べた。
双方はこのほか、共に関心を寄せる国際・地域的な問題について意見を交換した。会議後、双方は2国間の金融・科学技術・教育・エネルギー・インフラ建設などの分野における協力文書の調印式に立ち会った。(編集SN)
「人民網日本語版」2014年6月18日
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