作品が動物保護を呼ぶ
蘇氏は「5年あるいは10年かけて、もっと多くの作品を蓄積して展覧会を開くつもりです。生きいきとした、格式にこだわらない作品を示すことで、多くの人が野生動物の保護に関心を寄せてくれればいいですね」と語る。
蘇氏の作品「見守る」
09年に人民美術出版社が出版した「蘇柏斗―当代中国画家作品集」に、次のような言葉が目に止まった。「野生動物たちのあの純粋な野生の魅力に数え切れないほど深く揺り動かされたことで、わたしは生命の尊さをより感じるようになった。手のなかにある筆を使って動物の極めて純で美しい野生、温かく調和のある生存環境を、動物をこよなく愛し、生命をこよなく愛する人たちに示したい。絵画を通して芸術を感じてもらうだけでなく、多くの人が野生動物を保護する意識をもってくれればと思う。野生動物自身からあのように原始的な美しさを感じ取る、あのように情にあふれるまなざしに接することで、わたしたちは今、心は揺れ動き、深き思いにある」
心静かな蘇氏はあたかもその作品が示す深い安らかさのごとく、大言壮語とは無縁、穏やかな心が、作品と野生動物保護の先にある。
プロフィール
当代著名な画家、密画創作を得意とする。97年解放軍芸術学院美術学部卒、08年中国芸術研究院大学院卒。現在、北京大学中国伝統芸術文化研究所教授、当代密画研究室主任。作品のモチーフは多くが野生動物、作品を通して全社会に野生動物への関心と保護を呼びかけた中国画壇で初めての画家。
「北京週報日本語版」2011年4月6日 |