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現代によみがえるシルクロード起点の賑わい

本誌記者 継芳

正午近く、人びとが大唐西市主催の縁日に向かった。大唐西市とは西北部、陝西省の省都・西安にある古代の風格にならった建築群のこと。当日はちょうど「元宵節」、15日続く農暦の新年を祝う行事と縁日の最終日。そのためか、大唐西市は格別のお祝いの雰囲気と賑やかさに包まれた。

縁日は中国人が農暦の新年を楽しく過ごす伝統の行事。今年の「正月初一」(農暦1月1日)は陽暦の2月3日、規模最大の縁日として、大唐西市の縁日は2週間開かれ、平均して毎日およそ10万人が訪れた。通りには喜びに満ちた灯籠や祭日の飾り物が掛けられ、訪れた人は伝統の芸術や民間の舞踊などを堪能し、様々なおいしく地方色豊かな食べ物を味わった。

「この縁日は本当に素晴らしい。春節にたくさんの味わいを添えてくれた」と地元の杭志傑さん。

西安では、杭さんのように大唐西市を愛する人が多い。生き生きとしているだけでなく、唐の都・長安の大規模な市のような賑やかな光景が見られるからだ。

 

西安大唐西市広場 (魏堯撮影)

 

昔日の輝き

建築群は敷地面積およそ15畝(1畝=6.7アール)、1300年前に栄えた長安の西市の跡地に建っている。

唐代の長安には東市と西市という2大市場があった。東市は主に皇族や高官・貴人のため、一方、西市は大衆、平民化された対外貿易の中心として知られていた。

唐王朝の隆盛時、長安は世界最大の都市だった。人口は100万超。中国の政治と経済、文化の中心として外国人(当時は「胡人」と呼ばれた)の人気を集めた。シルクロードはユーラシア大陸を貫く陸路貿易の重要なルート。外国商人の大多数は商品を本国から長安へと運んでは西市で取引し、商業市場の繁栄が促された。外国商人は宝飾品やシルク、お茶、香料、生薬などを交易した。

シルクロードが最初に形成されたのは前漢時代(紀元前202~9年)。だが、中国とシルクロード沿線各国との経済・文化交流は唐王朝で全盛時代を迎えた。そのため、長安はシルクロードの東端と広く考えられ、西市が外国との貿易往来で主要な場所となった。

中国国家文物局は06年、古代西市を隋王朝(581~618年)と唐王朝時代のシルクロード沿線貿易を代表する遺跡に指定。また最近、遺跡はシルクロードの代表的な場所として登録された。中国とハザクスタン、キルギスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンの中央アジア5カ国は、こうした文化遺跡を世界遺産に登録することを共同でユネスコに申請した。

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