◇中国では納豆で異臭騒ぎになるのだろうか◇
臭いの強い日本の食べ物として納豆がある。中国人の多くは刺身に慣れればほとんどの人が美味しいという。しかし、納豆は臭いが強く多くの人に嫌われる。私の中国人の友人らも納豆はだめだという人が多い。私は納豆より臭豆腐の臭いの方が強いと感じるが、中国人には納豆の方が強烈な臭いと感じるのだろう。
日本人が中国に納豆を持って行って、列車の中で落としたらやはり同じように異臭騒ぎが起きるのだろうか。納豆の臭いで列車が止まるなどということを、日本人にはとても信じられない。中国人にとっても、日常的に食べている「臭豆腐」の臭いが、列車をストップさせたことなどまったく信じられないだろう。
日中の国交が回復してから44年後になっても、日常の食べ物すらよく分からない状態では、相互理解の促進など難しい。政治、経済、軍事の動向も必要だろうが、普通の庶民の生活ぶりや考えがどのようなものなのか、をもっとニュースにすることが求められているのではないか。
今回の“臭豆腐事件”は、日中両国の間で、何でもない普通の生活の情報が意外に知られていない象徴的な出来事である。観光地巡りや買い物だけでなく、双方が肩肘張らずもっと気軽な往来が盛んになることを期待したい。
「北京週報日本語版」2016年3月1日