◇日中のメロディーが会場に響く◇
当日は、地元の人たちを中心に50人ほどが会場に来てくれた。20人も集まるかどうかと思っていたので、これほど多くの人が来てくれるとは思っていなかった。みんなで歌うために用意した30枚の歌詞のプリントも足りなくなってしまった。
ミニコンサートで二胡の音色に聴き入る地元の人たち (斎藤和子写す)
演奏前に私は、今年が日中国交回復40周年になることや、中国で二胡を始める人は5、6歳ごろからの人が多いが、私は南京に赴任して60歳を過ぎてから習い始めたことなどを話した。そして「国交回復40周年にあたり、日本と中国双方でいろいろな行事が行われます。ここでもささやかではありますが、40周年を祝ってミニコンサートを開き、日中のメロディに耳を傾けてください」と、挨拶した。
始めに「草原情歌」を董老師と二胡で合奏した。最初は中国・青海省地方のメロディで、間奏の後は、日本で歌われている旋律を続けた。会場は中年から70歳前後の人たちが多かった。1960年代に日本の「歌声喫茶」で流行した「草原情歌」を記憶している人も多くいたようだ。
続いて「荒城の月」「さとうきび畑」を、董老師の二胡と私のハーモニカで合奏した。会場は70~80人が入れる自治会集会所だが、日本と中国のメロディーが、二胡とハーモニカの音色によるハーモニーとなって会場一杯に響いた。この後は、董老師が「賽馬」を二胡で独奏した。この曲はモンゴルの平原を駆け抜ける馬の競争のリズムと風景を表したもので、蒙古族はすべての生活が馬とともにあることを説明した。演奏によるメロディの体験や、私の説明で中国に関する興味が少しでも盛り上がり、中国への理解が深まることを期待した。
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