◇教室から生まれた歌を紹介◇
休憩後は、董老師が「茉莉花」「昴」「島唄」を独奏。続いて、私が作った「こんにちはとニイハオ」の歌を紹介した。歌詞の内容は、日本人の中国残留孤児を育ててくれた中国人養父母に感謝をする内容である。私が作文の授業の資料として利用したことで、「教室から生まれた歌」であることを話した。当時3年生だった教え子の劉雅君が作曲、董老師が補作して、3年前に完成したものだ。
二胡とハーモニカの合奏で演奏すると間もなく、会場の人たちが歌い始めたのには驚いた。学生に初めてこの曲を紹介して、ハーモニカで伴奏をした時、学生たちはなかなか歌えなかった。年配者が多かった会場ですぐに歌うことができたのは、歌詞をすんなりと理解できたからだと私は感じた。
最後に「故郷」「赤とんぼ」「北国の春」を二胡、ハーモニカの伴奏で合唱した。この日は、数日前から居座っている強い寒気団が日本列島を覆い、寒い冬の午後だったが、自治会集会所の窓からは、立春を間近にした明るい太陽が射し込み、室内にはほのぼのとした暖かさが漂っていた。
1時間30分の短いミニコンサートはあっという間に終わった。
「中国の曲を二胡の生演奏で聴いたのは初めてだったが、とても感動した。」「もっと歌いかった。」「私も二胡を習ってみようかしら。」「中国や南京に対するイメージが少し変わりました。」など、中国に好意的な感想が多かったことは嬉しかった。短期間の準備でいろいろ忙しかったが、やはり「やってよかった」と思った。千葉県から2時間あまりかけて、会場に来てくれた董老師にも感謝の気持ちでいっぱいだった。中国や南京に対するこれらの人たちの思いが次第に広まり、日中相互の理解が深まれば、「民間大使」の任務もいくらかは達成したことになるだろうと、安堵した。
「北京週報日本語版」2012年2月17日 |