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世界を変えた中国の進化と深化の10年
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文=ジャーナリスト 木村知義 · 2022-10-17 · ソース:人民中国 |
タグ: 一帯一路;GDP;政治 | 印刷 |
「伙伴関係」と新たな国家関係の創造
では、これらがなぜ新たな世界秩序にむけての胎動を予感させるのかである。
その理由の大きな一つは、一般に「パートナーシップ」と訳される「伙伴関係」にある。これはパートナーとはなるが同盟を結ばない、すなわち条約や協定によって縛る関係ではなく、信頼関係に基づいて構築される柔らかな新たな国家関係の「ありよう」なのである。
馬朝旭外交部副部長は9月末の会見において「現時点で中国と国交のある国は181ヶ国にまで増え、中国は110余りの国家・地域組織とパートナーシップを結び、友好関係を拡大し、パートナーシップのネットワークは全世界をカバーしている」と語った。同時にこの会見で馬氏は「中国がグローバル・ガバナンス体制の変革を後押しするのは、『別の体制を構築』するためではなく、現体制をより公正で合理的なものにするためだ。国際情勢がいかに変わろうとも、中国は真の多国間主義を実践する決意を変えず、グローバル・ガバナンスの整備への努力を変えず、多国間協力を推進する行動を変えない」と述べて、中国が「別の体制の構築」をめざしているのではないことを強調した。
しかし、「非米世界」の多くの国々の側の視点に立てば、新たな世界秩序への渇望が募る時代にあることは間違いない。すなわち、こうした新たな国家関係構築の広がりは、新たな世界秩序への胎動を予感させるものになるのである。
新たな時代に向けて歩む中国と世界の未来
こうして「変わる世界」と中国の10年について考察を重ねている時、実に興味深い言説に出会った。
「中国が世界のどこかで何かを試みると、その国の政府や住民が何を望んでいるかも十分に考えずに、とにかく対抗しようとする罠にワシントンははまっている」として「中国との競争がアメリカの外交政策を疲弊させ始めている」と警鐘を鳴らしているのである(「米対中戦略の落とし穴-ビジョンなきゼロサム思考の弊害」ジェシカ・チェン・ワイス米・コーネル大学教授「フォーリン・アフェアーズリポート」米外交問題評議会2022.10月号)。ワイス氏はさらに重ねて「国際的なルールや制度がアメリカの国益や価値観を反映しなくなるほどに、北京に影響力を譲るわけにはいかないだろう。しかし、もっと大きなリスクは、中国の影響力に対抗することにこだわるあまり、国際システムを麻痺させ、他の大国による代替的国際システムの模索を促し、既存の国際システムを弱体化させてしまうことだ」と述べている。
中国とは立ち位置を異にすることは当然として、しかし、まさに的を射たと言うべき「危機感」が率直に語られている。「動く中国」によって世界が大きく変わりつつあることを冷静に見つめ、直截に語っているとも言えよう。このような現実認識が登場してくることが、中国の存在が、とりわけこの10年の中国の動きが世界にとってどれほど重い意味を持つことになっているのかを如実に物語るものとなっている。
そして忘れてならないのは、こうした中国の歩みの土台を成すものとして、新時代の中国の「新たな発展理念」があり、現代的社会主義建設に向けて「新たな発展段階」に入ったという、過程と段階についての歴史を画する確たる認識があってこそ、中国の存在が、今まさに世界を動かす重要な動力を生む源になっているということである。それゆえに、未来に向けて中国こそが新たな世界秩序への胎動を牽引する存在となっていく、そのことを確信させる「中国この10年」である。
人民中国インターネット版 2022年10月13日
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