数千年の長きに渡り、中国人は「規矩を以ってすること無くんば方円を成さず（規則がなければ何事もうまくいかない）」という言葉に信を置いている。国は信なくば立たず、中国は近代以降「世界の大勢を押し留めることはできず、その流れに沿う者は栄え、逆らおうとする者は滅ぶ」と固く信じている。今日における規則・大勢とは、国際ルールのことである。世界貿易機関（ＷＴＯ）加盟を重要な契機として、改革開放はグローバル化に順応し、世界とリンクして、現行の国際ルールの流れに乗った。中国は国際貿易ルールを順守し、それに適応してきたからこそ、貨物貿易において世界第一位となり、最大の輸出入国の一つとなった。   

今日、国際ルールは変化の時期を迎えた。サービス貿易やＥコマースなど新たな貿易の形態がますます発展し、ＷＴＯ改革がこれらの新たな貿易分野をカバーすることを推し進める一方で、保護貿易主義が今日における世界唯一の超大国の政策となり、国際貿易は開放と自由から保護と封鎖に向かっている。中国の主張と行動は世界が注目するところとなっているのだ。 

中国は自由貿易の理念を実践し、多角的貿易体制およびルールの守護者であり続ける 

ＷＴＯ加盟以来、中国は常に自由貿易の理念を実践し、着実にＷＴＯ加盟時の約束を履行し、市場を大きく開放し、多角的貿易体制を守り、世界経済に強力な原動力を与えている。中国は終始一貫して多国間主義の積極的な推進者であり、多角的貿易体制とルールの揺るぎない守護者なのである。 

ＷＴＯ加盟後、中国は法律・法規の整理と改正を大規模に行い、２３００件以上に及ぶ法律・法規、各機関の規定を整理した。商品関税を下げるという中国の約束は２０１０年にすべて履行が完了し、平均関税率は２００１年の１５.３％から９.８％にまで減少した。また、中国はＷＴＯルールにのっとった知的財産権の法律体系を作り上げた。２００１年から、中国が海外に対して支払っている知的財産権の費用は毎年１７％増加しており、２０１７年には２８６億ドルに達している。 

ＷＴＯに加盟してから、中国は貿易投資の自由化と円滑化を積極的に推し進め、紛争解決メカニズムの法的地位を維持し、発展途上国が多国間体制に参加することを全力で支持し、多角的貿易体制の権威性と有効性を守っている。 

中国は一国主義と保護貿易主義に反対し、第２２回ＡＰＥＣ非公式首脳会議、Ｇ２０杭州サミット、第９回ＢＲＩＣＳ首脳会議において、保護貿易主義への反対をコミュニケに書き入れるよう後押しした。中国はＷＴＯの訴訟機関が独立・公正な立場で審議を行うことを支持しており、既に６０以上の加盟国と連名で、判事の選定プロセスの迅速な開始を提案している。中国はドーハ・ラウンドにおいてさまざまな議題の交渉に全面的に参加し、多くの加盟国によって作られた「貿易円滑化協定」の国内批准プロセスを推進した。中国は「後発開発途上国ＷＴＯ加盟の中国プロジェクト」を設立し、既に後発開発途上国６カ国のＷＴＯ加盟に助力している。 

中国は世界経済へ適応し、改革開放を加速させ、世界経済成長の原動力となっている 

自由貿易をしっかりと守るだけでなく、グローバル経済・貿易の情勢変化に適応するため、中国とＥＵはＷＴＯ改革について積極的に協議を進めている。