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安倍首相訪中と新しい中日関係の在り方
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時永明 · 2018-10-22 |
タグ: 中日関係;人類運命共同体;政治 | 印刷 |
二、未来志向で中日関係を築く
現在、中日関係の核心問題は、いかにして未来志向で安定的な2国間関係を構築するかである。それについては、いかにして2国間関係における基本問題を処理するか、いかにして東アジア地域の安定と繁栄を共同で維持していくか、そして国際基本秩序を確立する、という3つの側面から考えることができる。そのうち、最も深層にある問題は国際秩序確立に対する認識問題であり、最も表象的かつ最も直接的なのはいかに2国間関係における敏感な問題を処理するかである。
近代以降の中日関係の大きな特徴は、国際的大局の変化の影響を極めて受けやすいという点である。世界の近現代史は西側諸国主導であったため、アジア国家である中国と日本は近代において変化に対応する中で異なる状況が生じ、戦後の現代に入ってからも異なる路線を選択した。最も重要なのは、日本が戦後に米国戦略の追随者になったことである。その状況は冷戦後も変わっておらず、安倍首相の時代になってかえってより深い層で強まった。ここ数年中日関係が苦境にある主な原因は、日本が米国オバマ政権のアジア太平洋リバランス戦略に便乗して、戦略的に優位な地位を得る方法で中日2国間関係に存在する問題を処理しようとしたことにある。そして今、安倍政権が政策調整を行った主な原因は、トランプ政権が中国の経済発展を抑圧すると同時に、強権的な方法で同盟国から利益を横取りしていることにある。これは、米国と利益交換で合意すれば、安倍首相が米国と手を組んで中国を抑制するこれまでのやり方に戻る可能性が常にあることを意味する。
従って、中日は2国間レベルにおいて、現在は依然としていかにして確実に双方が中日間の四つの政治文書を守り、従うことを堅持できるようにするかという段階にある。その後で、いかにして建設的に意見の違いを調整し、共通利益を拡大し、交流と協力の強化を通じて「互いに協力のパートナーであり、互いに脅威とならないことを確認する」段階へと進む。それを基礎として、中日は手を携えて地域協力を推進し、2国間関係の環境基盤を固めていくべきである。
当然ながら、より深い層で中日関係を強化し、発展させるには、日本が現在の世界の変局に対し冷静な認識を持つことが求められる。中米対立の本質が、将来世界が平等と協力のウィンウィン秩序を確立するのか、それとも霸権統治下で少数の国が利益を得るピラミッド式の体系を確立するのかという問題であることを知る必要がある。先進国である日本は、短期的には依然として米国の暴威に依存し引き続き中国を含む大多数の発展途上国に対し政治的に優位な地位に立つことができる。しかしそうした局面が永遠に続いていくはずがないことは明らかだ。従って、持続可能な中日関係発展を望むのであれば、日本は米国に依存して利益を得ようとするモデルから、中国とともに人類運命共同体を構築する方向へと徐々に転換していくべきである。
(時永明・アジア太平洋地域問題専門家、本誌特約執筆者)
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