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「戦略的」保護貿易に戦略的観点は皆無
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· 2018-03-30 |
タグ: 保護貿易;中米経済;政治 | 印刷 |
米ハフィントン・ポストは以前「一部の政治家と欧米メディアは米国経済の問題の責任を中国になすりつけることに熱中している。実際には、もし世界に中国がなければ、米国や他の地方は現在すでにより深刻な衰退さらには不景気に陥っている可能性がある」と指摘した。この見解を再読することは、現在米国が中国に対して発動している一連の一方的な保護貿易主義的措置を理解するうえで大変役立つ。(人民日報「鐘声」国際論評)
今回の米国による対中301条調査を「商業的」ではなく「戦略的」と位置付けることで外部は一致している。いわゆる「戦略的」とは、調査が対中貿易赤字のみをターゲットにするのではなく、中国のハイテク産業の深い発展が米国の将来の競争力を脅かすことへの深いレベルの懸念をより示しているからだ。米政府の公表した301条調査報告は「メイド・イン・チャイナ2025」、国家中長期人材発展計画綱要、「次世代人工知能発展計画」など中国の革新駆動型発展戦略を広範に引用し、中国は技術移転を強いることで米企業の知的財産権の価値を削ぎ、米国の世界的競争力を低め、米国の商業に圧力と制限を加えているとの認識を示した。ライトハイザー米通商代表は、中国は数千億元を投じて独自開発と「メイド・イン・チャイナ2025」計画発展の主要産業を実現し、2025年には基本的に世界トップの地位に達し、これは米国にとって不利だと直言した。
長年科学技術革新の分野で先発の優位性と厚い実力を備えてきた米国は現在、同分野での中国の急激な発展に適応できずにいる。中国は高速鉄道、量子通信、電子決済などの分野で世界トップ水準に達し、その革新駆動型発展の理念と成果を世界が注目している。米国防総省イノベーション諮問委員会のエリック・シュミット委員長は昨年秋、米国はもし人工知能分野で一層の行動を取らなければ、「リードを保てるのは今後5年」のみで、その後は中国に「極めて速いスピード」で追い越されるだろうと警告した。
世界知的所有権機関(WIPO)が昨年末に発表した「世界知的財産権指標」報告によると、中国国家知識産権局が受理した特許出願数は130万件を超え、米国、日本、韓国及び欧州の特許局の総和を上回った。報告はまた、中国は今後3年以内に世界トップの国際特許出願国になる見通しだと指摘した。これと同時に、中米双方は知的財産権の面で積極的な協力を保っている。中米は知的財産権の問題をめぐり重要な交渉を3回行い、覚書を締結した。これらの交渉で、中米双方は意思疎通と交流を通じて、知的財産権関連の各自の法体系の構築と法律の実施を大きく高めた。
301条調査報告のいわゆる「技術移転の強制」にいたっては、証拠の支えを深刻に欠く根も葉も無い話だ。中米企業間の技術移転は企業が対等な協議によって、自主的に決定した、有償の取引であり、政府による強制や干渉はない。中国企業が米国で投資や買収を行うのは、経済グローバル化という大きな背景の下での企業の自主的選択だ。これらの取引は米国の法律を遵守しているうえ、米国に数多くの雇用を創出してきた。米企業が米政府に提出した数10件の意見にさえ、いわゆる「技術移転の強制」を支持するいかなる具体的証拠もなかった。反対に、米国の「輸出管理法」は技術の移転と輸出に対して非常に厳しい規定を設けており、米国外国投資委員会も外国人による米国企業に対する投資やM&Aの認可において大きな自由裁量権を持っている。中米双方の企業による市場条件に基づく正常な商業貿易・投資行為が、しばしば米政府に妨げられているのは周知の事実だ。
「数千万人の米国人が雇用の保障、子どもの未来のチャンスに対して自信を失ってきている。これは中国のせいではないのに、彼らは中国の成功を米国に悪影響をもたらすものと見ている」。数日前にローレンス・サマーズ元米財務長官(ハーバード大学教授)が中国発展ハイレベルフォーラム2018で語った言葉は、現在の米国の対中貿易政策の誤りをよく示している。自らの発展の過程で遭遇した問題の責任を他者に帰する手法では自らの危機感を解消することはできず、これに基づく保護貿易主義的な「戦略決定」に戦略的観点は皆無であり、最終的に自他共に損なう行き詰まり状態に陥り、国際秩序を乱すだけだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年3月30日
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