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「インド太平洋戦略」の行方(2)
  ·   2018-02-24
タグ: 米国;トランプ政権;政治
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■オーストラリア:両賭けは継続不能 

オーストラリアは「ミドルパワー」となることを基本的戦略目標とし、国際政治において一角を占めることを望んでいる。だが人口は少なく、経済・軍事力は強くなく、総合国力は限られており、世界の地政学において際立った役割を演じているわけではない。国際社会に対する発言力と影響力を強化するため、オーストラリアは対外関係の主軸を米国との特別な関係の発展に置いている。これが「インド太平洋戦略」への参加を決定づけている。

オーストラリアは国家安全保障を米国のアジア太平洋覇権体制に長年依存している。民主・自由の価値観を基礎とする西側国というのが、自らの位置づけだ。国家安全保障上の利益と価値観の指向がオーストラリアを軍事・外交面で米日に一層接近させている。経済も対米依存が強い。オーストラリア外務貿易省の2016年の統計では、米国の対豪投資残高は1兆豪ドル近くで、中国の対豪投資残高の約10倍だ。だが中国は2010年以降ずっとオーストラリア最大の貿易相手国の座にある。2016年に中豪間の貿易額は1078億米ドルに達し、オーストラリアの黒字は335億米ドルを超えた。2016年に中国人観光客のオーストラリアでの消費額は460億元にも上った。

価値観及び安全感と正反対の多大な経済的利益によって、オーストラリアは選択のジレンマに陥っている。2017年11月23日に14年ぶりに発表した外交政策白書で、オーストラリア政府は「中国との強大で建設的な関係の発展に尽力する」とする一方で、中国の台頭がもたらす試練を誇張し、西太平洋地域でのプレゼンスの維持を米国に強く求めた。これについて、オーストラリア国立大学のヒュー・ホワイト教授は「中国に頼って豊かになり、米国に頼って安全になる」というオーストラリアの考え方は幼稚でおかしく、継続不能でもあると指摘する。

「インド太平洋戦略」は理論的基礎も行動モデルも、イデオロギーや敵と味方の陣営を分ける冷戦思考を反映しており、グローバル化の大きな流れの中での経済統合、文化的包摂、政治的多元化、利益の共有という時代の訴えと逆行するものだ。人的交流が活発化し、経済活動が融合し、文化心理が開放的になっていく社会形態において、互いに融合し切り離せない利益の交わりの中において、「インド太平洋戦略」はどこへ向かうのか?4つの当事国は本当に真剣に考える必要がある。(編集NA)

「人民網日本語版」2018年2月23日

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