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「規範」から南中国海の「秩序」へ
呉士存  ·   2017-11-22  ·  ソース:
タグ: 南中国海;ASEAN;政治
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このほどマニラで開かれたASEANプラス1(中国)首脳会議は、「南中国海における行動規範」(以下、「規範」)の詳細に関する協議を正式に始動することを明らかにした。李克強総理は、「『規範』協議を通じて、各国が相互理解・信頼を強化し、合意の上で『規範』の早期成立を図り、それを南中国海の平和を維持する『安定器』にしていくことを望む」との意を示した。 

「規範」条文に関する協議の開始に伴い、「規範」の性質、適用範囲および法的拘束力を有するか否かなどの実質的な問題をめぐる関係各国の駆け引きも繰り広げられるだろう。そのほか、一部の域外勢力の協議プロセスへの干渉、仲裁裁決のマイナス影響も過小評価できない。この意味では、「規範」条文に関する協議が短期間で共通認識に達し、飛躍的進展や一気に策定に至ることを期待するのは現実的ではない。 

将来的に「規範」は法的拘束力を有するかという国際社会が関心を共有する問題について、中国側は最初から手の内を明かし、「規範」が法的拘束力を有することを主張する側に回ってもかまわないだろう。「南中国海における関係国の行動宣言」(以下、「宣言」)の不足点を検証してみると、法的拘束力と監督・処罰メカニズムが欠けていたため、締約国は「宣言」の関連規定に違反しても何の代価を支払う必要もない点が挙げられる。そのため、「宣言」のアップグレード版、最終目標として、「規範」が一定の法的拘束力を備えるべきなのは言わなくても明らかなことだ。 

南中国海を真の「平和の海、友情の海、協力の海」にし、南中国海地域の長期的安定を実現するには、「規範」条文に関する協議の始動というチャンスを捉え、「規範」メカニズムを基礎にして将来的な南中国海地域の安全秩序を構築することを考えるべきだ。そうすれば、南中国海地域が危機管理・コントロールメカニズムに欠けるという緊迫した課題を解決できるだけでなく、中国・ASEAN間の安全保障協力というウィークポイントをなくし、双方の政治的相互信頼を強化することもできる。 

長期的に見れば、ルールに基づき、制度化された南中国海秩序は、中国を含む各国の利益に合致するものだ。南中国海に関する紛争は比較的長期間にわたり徹底的な解決が難しい。国の領土主権と海洋権益を断固として守ることを前提にして、南中国海地域の平和と安定の維持に努力することが、現在中国が南中国海問題を処理する上での戦略的目標であるべきだ。それを実現・維持するためには、各国に受け入れられる制度的手配が差し迫って必要である。  

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