いうまでもなく、中国の社会発展プロセスでは矛盾やリスクの増大にも直面するということは習近平主席をはじめ指導者、研究者・専門家が随所で語っていることでもある。すべてが容易く進み、一直線に達成できるものではない。曲折を経て、問題や困難を一つひとつ解決、克服していく道をたどることは当然だろう。
前回大会から5年を経て、課題とどう向き合い、どのように問題を乗り越えてこれからの「二つの百年」をめざすのか、まさにそのカギとなるのが19回党大会だと言える。
中国の台頭という「現象」に、世界には、戸惑いや「ためらい」がないわけではない。中国がグローバルガバナンス形成の主導者の一人として登場したことを容易に受け入れることができない「旧思考」の人々もいる。20世紀的世界から世界は新たな段階に歩みを進めていることに正面から向き合うことを避けようとする人々もいる。しかし、世界は動く、時代は進化し、深化する。日増しにそのスピードを加速しながら、である。ならば、われわれが採るべき態度は、共に考え、共に課題を克服し、手を携えて新たな世界のあり方をめざすということではないか。
さて、そして、最後に回りまわって、日本のわれわれのあり方に問題はめぐってくる。ここまでの考察だけでも、もはや「中国をどう封じ込めるのか」あるいは旧来の西欧・欧米型の「価値観」に「中国をどう従わせるのか」という発想では、これからの21世紀世界は生きられないことは明白である。これからの日中関係を構想するときに、この視座に立てるかどうか、われわれの試練の時でもある。
第19回党大会を迎える際にわれわれが留意すべきいくつかの視点について述べた。もちろん、これで網羅されているわけではない。しかし、今大会は、述べたような世界の大きな「変化」のなかで、「次の5年」にとどまらず今世紀半ばまでを視界に入れた、重要な画期となる党大会になることは間違いないだろう。(9月26日記)
「人民中国インターネット版」より