華春瑩・外交部報道官は２０１７年３月２０日、次のように述べた。「国連安全保障理事会（安保理）が全会一致で採択した決議第２３４４号に『人類の運命共同体構築』という重要理念が初めて盛り込まれ、国際社会の共通認識が反映された。決議は各方面に『一帯一路』構築をさらに推進するよう促し、そのために安全保障強化など具体的要求も打ち出した。この決議はこれまでの国連及び国連安保理決議の「一帯一路」に対する記述を継承し、発展させたものである」。

４６億年前に誕生した、人類が住むこの青い星は、今も茫々たる宇宙を孤独に回り続けている。人類のような知性を持つ生物はいまだ見つかっていない。今、この星には１９０余りの国、７０億以上の人口がひしめいている。彼らは数え切れない災難と練磨を経験し、未来に対し限りない期待と憧れに満ちている。私たちはどこから来て、どこへ向かうのか。究極の問いであり魅力にあふれたこの命題を、人々は何世代にもわたってずっと探求し、証明しようとしてきた。

人類にはただ１つの地球しかなく、各国が１つの世界に共存しているという現実的背景に基づいて、近年、中国は「人類運命共同体」意識の確立を大いに提唱してきた。中国共産党第１８回全国代表大会以降、習近平主席は初めて外国人と会見した際からすでに、国際社会はますます「你中有我、我中有你」（あなたの中に私があり、私の中にあなたがある）という「運命共同体」になりつつある、との考えを示していた。世界経済の複雑な情勢と世界的問題を前にして、いかなる国も協調せずに単独で存在することはできない。国と国との２国間運命共同体から地域内運命共同体、さらには人類運命共同体まで、数年間で、習近平主席は数十回にわたって「運命共同体」の問題に言及してきた。「運命共同体」は中国の人類社会に関する新理念だと言える。  

この時代に存在感を増してきた「人類運命共同体」理念は、今後は世界各国の必然的な選択になるだろう。この理念には極めて悠久の文化的根源と非常に差し迫った現実的な必要性があるからだ。文化的根源について言うと、東洋文明であれ西洋文明であれ、世の移り変わりを経ても終始変わらない「天下」への思いがあり、「和を以て貴しと為す」「協和万邦」という平和思想がある。西洋の「プラチナルール」「ゴールデンルール」には、平等に人に接し、相手の立場に立って考える思想的要素があり、中国の「己の欲せざる所は人に施す勿れ」「四海の内は皆兄弟たり」という処世の道と極めて似通っている。「計利当計天下利」（利を追求するのであれば公の利を追求するべき）といった価値判断は、世代を超えて延々と続く人類文明を共に形作ってきた。

現実的な必要性について言うと、現在の国際情勢には世界の多極化、経済のグローバル化、文化の多様化、社会の情報化など多くの特徴が見られる。食糧安全、資源不足、気候変動、サイバー攻撃、人口爆発、環境汚染、疾病流行、多国籍犯罪など、世界的な非伝統的安全保障問題が次々と起こっている。これらはいずれも国際秩序と人類の生存にとって厳しい試練となっている。国籍や信仰を問わず、望むと望まざるとにかかわらず、実は誰もがすでに１つの運命共同体に身を置いているのである。さらに厳しいのは、現在世界経済が回復力を欠き、正常な発展の軌道から程遠い状況にあることだ。加えて国際情勢が激動し、保護主義、単独行動主義、反グローバル化の思潮が台頭してきた。そのため、中国の「人類運命共同体の構築」という理念が日増しに国際社会から重視され、期待されるようになっている。

「人類運命共同体の構築」という理念が国連安保理決議に初めて盛り込まれたことは、この理念がすでに国連加盟国から広く賛同を得たことを示している。国連社会開発委員会（ＣＳｏｃＤ）第５５回会議議長は新華社の記者にこう語っていた。「『人類運命共同体の構築』という理念は世界各国が相互に依存しているという実際状況を示し、各国に協力強化を通じてウィンウィン実現に向けた努力を奨励するもので、国連憲章の主旨と原則に合致している。『人類運命共同体の構築』という理念は、国連が世界各国の持続可能な発展目標達成を後押しする上で極めて重要である」。

「北京週報日本語版」2017年3月22日