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ウィンウィンの関係を築く中国・スイス2国間協力
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江時学 (中国社会科学院欧州研究所研究員) · 2017-01-10 |
タグ: 習近平国家主席;スイス;政治 | 印刷 |
中国とスイスの2国間関係には4つの「初」がある。スイスは1950年1月17日に中華人民共和国を承認した。同年9月14日、中国はスイスと正式に外交関係を樹立。そのため、スイスは最初に中華人民共和国と正式な外交関係を樹立した欧州国家の1つとなった。スイスのこうした外交行動は容易ではなかったことを私たちは知っておくべきだ。これ以前、米国はスイス政府に対し「貴国がアジアの共産党政権を早々に承認するのは望ましくない」と警告していた。しかしスイスは、「共産党の中国における統治は比較的長い期間続くだろう。だから早めに承認したほうが後になってから承認するよりいい」と考えたのである。
国交樹立から60年余り、両国関係は安定して発展してきた。2007年7月、ロイトハルト・スイス連邦参事会メンバー兼経済担当参事(経財相)が訪中し、スイス政府を代表して中国の完全な市場経済地位を認めると公言した。こうして、スイスは最初に中国の完全な市場経済地位を承認した欧州国家の1つとなった。これは、現在に至るまでまったくこの地位を承認しないEU、米国、日本などと著しい対照的をなしている。現在、スイスは中国の欧州における第7の貿易相手国であり、中国はスイスのアジアにおける最大の貿易相手国である。2015年、2国間貿易額は442億7000万ドルに上り、そのうち中国の対スイス輸出は31億7000万ドル、スイスからの輸入は411億ドルだった。スイスは巨額の貿易黒字を享受している。中国がスイスから輸入しているのは多くが技術集約型製品で、スイスへの輸出には大量の労働集約型製品が含まれている。この貿易構造も、双方経済の相互補完性をある程度体現している。
外資導入は中国改革開放の重要な構成部分である。中国・スイス合弁の迅達(中国)電梯有限公司(シンドラー中国)は1980年に設立された、中国で最初に設立が認可された中国と外国との合弁工業企業であった。2006年、同企業は独資化を行った。この1874年に設立されたスイス企業は、世界トップのエレベーター、エスカレーター、動く歩道及び関連サービスのサプライヤーである。世界100余りの国と地域に5万7000名余りの従業員を有し、欧州、ブラジル、米国、中国、インドに五大生産拠点を置いている。30数年来、シンドラー中国は優れた製品とサービスで中国の都市化発展に貢献してきた。
2011年1月28日、中国・スイス自由貿易区交渉がスイスのダボスで正式にスタートした。8回の交渉を経て、双方は2013年7月6日に北京で中国・スイス自由貿易協定に正式調印した。これは、中国と欧州大陸国家が調印した最初の自由貿易協定であり、中国が世界経済トップ20に入る国と最初に調印した2国間自由貿易協定でもあった。
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