中国は現在の世界で最も急速に発展している国の1つであり、将来の世界の経済及びそのガバナンスに影響を与える重要な位置にある。杭州サミットはこの歴史的に重要な時期に開催される。（文：マーティン・ジャック英ケンブリッジ大学政治・国際関係学院研究員、人民日報掲載）

過去数年間、中国は国際社会でより主導的な役割を演じるようになり、経済グローバル化の創造者へと成長した。これを証明する象徴的な例が2つある。1つはアジアインフラ投資銀行（AIIB）の設立だ。AIIBは欧州及びアジアの多くの国々を取り込み、アジア地域のインフラ投融資の最も重要な機関となる。もう1つは「一帯一路」（the belt and road）イニシアティブであり、最も壮大な国を跨ぐ発展戦略に尽力するものとなる。また、海外投資、人民元の国際化、中国企業の海外進出なども、中国の世界的影響力が様々なレベルで急速に拡大していることを示している。

だが世界の国際貿易と投資は全体として衰退傾向にある。これは中国が今回主催するG20サミットにとって最大の試練でもある。G20杭州サミットの議題はこの試練への対応と高度に関係している。「成長方式の革新」は世界経済の成長減速という核心的問題を念頭に置いたものだ。

中国の重要性はたとえ減速しても、依然として大変目を引く経済成長率を保っていることにある。また、中国は世界の一体化の維持に尽力し、互恵・ウィンウィンを後押ししている。経済的パフォーマンスにおいても、グローバル化に対する約束の順守においても、中国は成長と協力に基づくグローバル一体化モデルの提供に寄与している。