フィリピンの申し立てた南中国海仲裁手続きのいわゆる裁決について、国際社会構成員が連日相次いで態度を表明している。多くの国の政府、政界要人、国際機関高官が次々に中国政府の南中国海問題における立場と主張に声援を送り、直接当事国が交渉と協議を通じて南中国海の関連紛争を解決するよう呼びかけている。国連は微博(Weibo、ミニブログ)の公式アカウントで、常設仲裁裁判所は国連といかなる関係もないと声明し、国際裁判所も声明を発表して、「国際裁判所は仲裁裁判所とは全く異なる別機関であり、いわゆる南中国海仲裁手続きには終始関与していない」とした。
この仲裁手続きは最初からフィリピンの一連の不法行為と不法な申し立てを基盤にして成り立っており、臨時仲裁裁判所は合法性がなく、管轄権も持たない。この意味合いの変わってしまった仲裁はそもそも国際社会から歯牙にもかけられていなかったが、米国を始めとする一部の国はさも重要であるかのように扱い、躍起になって騒ぎ立てた。13日、米国のブレア元太平洋軍司令官は米国議会公聴会で、「米国は中国が南中国海紛争島嶼で行っている活動に『軍事力を用いて』反対する意志を持つべきだ」との考えを示した。また日本の安倍晋三首相は14日、モンゴル訪問を前にして「南中国海仲裁に関するG7声明」を取りまとめようとした。国際社会の中国に対する広範な理解と支持を前にして、まだあきらめきれずにいる国はごく少数しかない。
しかしこの裁判を理解している人であれば誰でも次の点が分かるはずだ。フィリピンのアキノ3世政権が一方的に仲裁を申し立てた行為自体、中国との間に結ばれた2国間交渉によって南中国海紛争を解決するという取り決めに違反し、自身が「南中国海における関係国の行動宣言」で行った約束に背き、「国連海洋法条約」の紛争解決手続きの適用に関する規定に背いている。また臨時仲裁裁判所の仲裁手続きはフィリピンの不法行為と不法な申し立てに基づくもので、仲裁裁判所は本件に対し管轄権を持たないにもかかわらず、勝手に権限拡大と越権を行い、慣習法の管轄範囲にある歴史的権利、島・岩礁の領土的地位と海洋境界画定に関連する問題について審理を強行し、「国連海洋法条約」の授権にゆゆしく背き、国際法治を粗暴にも踏みにじり、現代国際関係の基本準則に打撃を与えた。これは平和と安定を重要視し、国際公平・正義を愛する世界の全ての国と人々にとって受け入れられないものである。