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卑劣すぎる日本の「南中国海外交」
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· 2016-07-05 |
タグ: 南中国海;仲裁;社会 | 印刷 |
先月20日、カンボジアのフン・セン首相は同国行政学院の卒業式典で、「あるASEAN域外国の駐カンボジア大使は、カンボジアやその他ASEAN諸国に対し、南中国海の仲裁結果が出た後に支持を表明するよう求め、そうしなければASEAN諸国に対する経済援助を打ち切ると圧力をかけている」と語った。しかしこの大使は物分りが悪かったようだ。ついに我慢の限界に達したフン・セン首相は先月29日、スピーチで日本の駐カンボジア大使を名指しし、経済援助打ち切りでカンボジアを脅し、内政に干渉したとして批判。「フン・センは外部圧力に簡単には屈しないと言ったはずだ」と釘を指した。
フン・セン首相が暴露した日本大使の陰険な行為には、あっけに取られて物が言えない。実際、南中国海問題をめぐって、日本は現在までにたびたび至る所で悪行を重ねている。7月1日、日本が7月の国連安全保障理事会議長国になったその日に、日本の別所浩郎国連大使は記者会見を開き、南中国海問題に対する「強い関心」を示し、「今後国連安保理メンバー国から要求があれば南中国海問題を国連安保理の討論議題として取り上げることを検討する」と述べた。
日本が近年、南中国海問題をめぐり一連の反中外交活動を展開している背景には、4つの基本的な思惑がある。1点目は、中国が南中国海海域の支配権を掌握し、日本のシーレーンの安全を脅かすことに対する懸念。2点目は、中国が東南アジア諸国に対する影響力を強化し、この地域における日本の主導権を損なうのを阻止すること。3点目は、東中国海で中国と対抗するための外交カードを増やし、中国に東中国海における譲歩を迫ること。4点目は、米国「アジア・リバランス」戦略に協調し、米日同盟の戦略的優位性を確保することで、これが最も肝要な点でもある。
日本の「南中国海外交」の政治背景は日米同盟の深化である。日米両国は1990年代から、暗に台湾と朝鮮半島を指す「周辺事態」という概念を打ち出し、それによって同盟の適用範囲を拡大した。近年は南中国海の戦略的意義が日増しに際立ってきたことを踏まえ、日米はまたもや、同盟の適用範囲を引き続き拡大して、世界範囲の衝突に介入できる「公共財」にすることを企んだ。「日米防衛協力のための指針」(ガイドライン)は日米同盟深化を具体化した文書だ。2015年4月29日、この文書が発表された後、安倍晋三首相は「アジア太平洋には北朝鮮の脅威がある。同時に中国による東中国海、南中国海の活動と軍備拡張もある。そうしたものにしっかりと対応していく新しいガイドラインを作った」と述べた。「存立危機事態」と「重要影響事態」が指しているのは南中国海なのだ。
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