ホーム >> 政治 >> 本文 |
「92年合意」避けた台湾当局新指導者の「善意」は
どこに |
· 2016-05-23 |
タグ: 台湾;「92年合意」;政治 | 印刷 |
台湾当局の新たな指導者となった蔡英文氏は20日、「就任演説」を行った。この演説は多くのブレーンや高級参謀を動員して智恵を絞り、苦心して準備し、なおかつその幕僚から「最大の善意を示した」とされた。しかし最も注目されたのは「92年合意」を認めるかどうかだった。その意味で、演説は全く失望させられるものだった。演説は目下の両岸関係がどのような性質なのかという根本的な問いには答えず、依然「92年合意」とその核心的内容に言及せず、大陸側との間で両岸の共通政治基盤を確認しようとしなかった。両岸関係の未来に依然として光明は見えない。
台湾当局新指導者のこの演説は約6000字だが、台湾の経済発展と前途にかかわる両岸関係については地域の平和的安定の後に回され、ほんの400字にも満たなかった。両岸政策に関する論述はこれまでとわずかに変化しただけだが、まともな答案とは思えないものだった。その政策論述の実質は、両岸の連携と依存度を下げ、いわゆる台湾の「主体性」を保つというものだ。演説から分かる通り、彼女の両岸政策目標は、安定を求めるのみで発展は求めず、リスク管理のみで原動力は育成せず、両岸を近づけるのではなく切り離すことなのである。
演説は1992年に両岸それぞれの窓口機関である海峡両岸関係協会と海峡交流基金会が行った協議と、同協議で達した若干の共通認識について言及し、台湾地域の現行規定と関連条例に基づいて両岸関係を処理するとの方針を示した。しかし台湾側の現行規定上の立場を重ねて言明したにすぎず、前述の規定で明確に定められた両岸関係の性質については依然として言及を避けた。このような態度表明だけでは、彼女が本心から「大陸と台湾はともに1つの中国に属する」とした「92年合意」の核心的内容を受け入れたと人々に信じさせるには不十分だ。また演説は両岸の既存交流メカニズム維持を提起しているが、彼女にはビジョンがあるだけでアプローチはなく、両岸の制度化された交流を維持する実行可能な方法を打ち出せていない。演説はさらに、両岸執政党が「歴史の重荷を下ろす」ことを提案しているが、民進党と共産党の交流にとってずっしりと重い障害になっているのは、まさに民進党の「台独党綱」、「台湾前途決議文」、「正常国家決議文」など「台独」文書なのである。目下のところ、民進党は「台独党綱」を凍結することすらできていない。両党対話の可能性は微々たるものだ。
2次のページへ |
どこに--pekinshuho
|