ホーム >> 政治 >> 本文 |
中米の戦略的相互信頼を損なう「二面性」
|
· 2016-05-19 |
タグ: 中米関係;南中国海;政治 | 印刷 |
米国防総省は先日中国の軍事・安全保障動向に関する年次報告書を発表し、「中国の軍事的脅威」「中国の軍事力の不透明性」を再び根拠なく誇張し、中国の国防政策および東中国海、南中国海における中国の合法的行動をほしいままに歪曲した。傲慢さと偏見に満ちたこのような報告書に中国側は断固として反対した。自らの必要性と計画に基づく中国側の国防建設の歩みがこれによって影響を受けることはいささかもない。(人民日報「鐘声」国際論評)
「歴史書を読むと自国の軍をよく準備していなかった国と比べ、自国の軍を常に準備していた国は成功することが多い」。米軍上層部はこのほ米紙ニューヨーク・タイムズの取材に、自分の部隊が「今夜にも開戦できる」準備をしていることについて弁護した。米国は世界最大の軍事力を持ちながら、このように平時でも警戒を怠らない。国家の独立、主権、領土の一体性を守るための中国の正当な国防整備に何の問題があるのか?米国防総省は何に基づいて中国の「軍事的脅威」をまき散らすのか?
中国は終始変わらずに平和的発展の道を歩み、防御的国防政策を遂行しており、アジア太平洋さらには世界の平和・安定を守る積極的なパワーだ。中国の顔に泥を塗る米国防総省の報告書は、対中関係における米政府の変わらぬ二面性を反映している。
「米側は中国側と共に、両国間の問題を建設的方法でうまく処理することを望んでいる」「米国には中国の安定を破壊する意図も、中国を封じ込める意図もなく、中国の改革プロセスを支持している」「米国は平和的に安定し、発展する中国を歓迎する。これは米国と国際社会の利益にも合致する」。これらは近年の米国の厳粛な約束だ。「人権カード」による中国への内政干渉、南中国海問題における頻繁な挑発行動、中国の国防整備へのいわれなき非難などが、こうした約束にそぐわず、マイナスのエネルギーを帯びているのは明らかだ。
米国の様々な言動が国際構造の転換への焦慮によるものであれ、国内政治上の計算によるものであれ、中米の戦略的相互信頼に対する損害は明らかだ。中米が新型の大国関係を構築するうえで、極めて重要なのは戦略的相互信頼の強化だ。中米は「トゥキディデスの罠」を回避し、政治的な知恵と歴史的責任感に富むトップレベルデザインを持ち、こうした知恵と責任感を実際の行動に移す必要がある。「中米は危険性が高く、代償の高い競争ではなく、健全な競争を行い、協力を拡大する必要がある」。これは米政府の元高官が今年早くに述べた言葉だ。こうした現実感は米政界で相当の代表性を持つものと信じる。問題は、大きな戦略的判断には十分な戦略的不動性による支えが必要であるということだ。ほしいままの行動は一見自らの力への大きな自信によるもののようだが、実はそこから透けて見える自信のなさは当事者が心の中で良く分っているだけでなく、傍観者にも明らかだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2016年5月18日
|