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中米関係にはより多くの理性的な声が必要
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· 2016-05-16 |
タグ: 中米関係;冷戦思考;政治 | 印刷 |
中米関係が深化し続け、両国の競争・協力関係が変化し続けるに伴い、米国世論では両国関係に関する声が上がり続けている。米大統領選シーズンにあって、中米関係に関する話題には悲観的な論調もあるが、理性的な声も度々上がっている。(文:沈丁立・復旦大学国際問題研究院副院長、教授。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)
米カーネギー国際平和財団のバーンズ会長はこのほどワシントンで行った講演で、中米関係を両国共生の関係と位置づけた。バーンズ会長は「中国とのパートナーシップと競争関係とのバランスをいかにとるかが、米国外交にとって最大の試練だが、中国を敵と見なすのは重大な過ちだ」と指摘した。
バーンズ氏は米国の外交分野に32年間携わり、国務副長官も務めた。バーンズ氏の分析によると、中国が米国にとって同時に最も重要な協力パートナーと競争者になるのは共生的なことだ。これは矛盾することではなく、正常なことであり、問題はいかにバランスを保つかだ。米国は両国関係における軍事面のみに焦点を合わせて封じ込め措置を打ち出すのではなく、この両面を考慮するべきだ。現在米国の一部保守派は中国を対立者と見なしているが、これは重大な過ちだ。
米国の政界やシンクタンクは知者に事欠かない。現在の中米関係における暗雲に対して、バランスの取れた関係処理を主張する人々は全力で声を上げている。彼らは太平洋両岸を奔走し、バランスの取れた案を打ち出すために積極的に努力している。中米両国の識者は両国関係安定のために連携し、相互理解と利益共有の推進のために協力している。こうした協同は称賛に値する。
バーンズ氏の述べたように、中米両国の共生関係は経済面だけでなく、外交面、政治面においても同様だ。経済面では中米協力は市場を刺激し、安定させ、金融危機を解消する。外交面では、協力して排出を削減し、核安全保障を促進し、イラン核問題とシリア核兵器問題を解消する。政治面では、協力してテロ対策を行い、グローバル・ガバナンスを共に提唱し、開発モデルの違いの矛盾を解消する。
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