中国が９月３日に行った軍事パレードの前後、一部の西側メディア、特にＣＮＮ、ＡＰ通信、ウォールストリートジャーナル、ニューヨークタイムズ、ワシントンポストなど米国メディアは軍事パレードについてさまざまな歪曲中傷報道を行った。内容はおおよそ「中国は軍事パレードで世界に軍事的『筋肉』を誇示した」、「西側首脳が１人も出席しなかったことは中国が国際社会で孤立している証」といったもので、中国の抗日戦争が世界反ファシズム戦争において果たした貢献を過小評価するものや、国共両党の不一致を際立たせ、抗日戦争を行ったのがどちらだったのかといった問題をむやみにあげつらうものもあった。だが、ファシズム・軍国主義戦勝７０周年という歴史的意義にはどのメディアも触れなかった。

では、中国が軍事パレードを行ったのはなぜなのか？それは、①世界反ファシズム戦争における中国の歴史的地位を守り、中国の戦後国際秩序における合法性を明確にする、②抗日戦争に命を捧げ多くの犠牲を払った人々に対する尊敬と感動を示す、③中国人の民族としての誇りを高め、団結して戦後平和秩序を守るという中国人の決意を示すためである。

第２次世界大戦後の国際秩序は、世界反ファシズム・軍国主義戦争の結果の上に成り立っている。もし中国が８年間にわたり多大な犠牲を払って日本軍の主力を牽制しなかったら、太平洋戦場と欧州戦場の結果はどうなっていたか分からず、世界反ファシズム戦争の継続期間はまた違うものになっていたかもしれない。中国が国連で安全保障理事会常任理事国という立場を得たのは、米国と旧ソ連の施しによるものではなく、中国の世界反ファシズム戦争における貢献によるものであり、中国と中国人民が実力で勝ち得た名誉である。

しかし、第２次世界大戦終結から７０年後の今日、国際社会において、中国の抗日戦争はふさわしい重視と注目を得ていない。米国を始めとする西側諸国は、現実的な政治目的から、第２次世界大戦勝利の功労は主に西側諸国にあると宣伝し、中国とロシアが第２次世界大戦で果たした役割を脇に押しやった。今、西側は、中国とロシアの第２次世界大戦における貢献を過小評価し両国の面目をつぶすような世論宣伝に躍起になり、旧ソ連はナチスドイツとともに第２次世界大戦を発動した犯人だというゆがんだ解釈をし、独ソ戦を「悪徳集団どうしの仲間割れ」と定義する一方で、中国の抗日戦争が果たした役割を脇に押しやり、長期にわたる苦難に満ちた抗日戦争を無視し、中国の抗日戦争勝利を単純に米国の原子爆弾投下と太平洋戦争勝利のおかげだとしている。こうした歪曲された国際世論環境は安倍政権に第２次世界大戦の犯罪行為について言を左右にする機会を与えただけでなく、台湾民進党と島内分裂主義者もこの機を利用し脱中国化を目的にして歴史を捻じ曲げ、日本の台湾植民地支配がどれだけ文明的で素晴らしかったかを宣揚し、ひいては日本の侵略行為は台湾にとって恩恵だったと美化する声さえある。