中文 | English | Français | Deutsch
 
 
ホーム 政治 経済 社会 中日交流 文化 文献 特集
ホーム >> 社会 >> 本文
  • descriptiondescription
豊かな自然と客家の風情 土楼から漂う米酒の香り
本誌記者・蔡夢瑶  ·   2022-11-11  ·  ソース:北京週報
タグ: 客家;文化;社会
印刷

受け継がれる米酒の製法

さまざまな民間伝承のほか、龍南の客家の人々は長年の囲屋生活の中で、独特な民俗文化を形成した。元宵節(旧暦1月15日)のときには、線香をたくさん挿した、わら製の「香火龍」を舞うように操って、翌年の天候の順調(7)を祈る。また、見た目が「タピオカミルクティー」に似ている「鳳眼珍珠」は、客家の人々が賓客をもてなす際のメイン料理の一つ。デンプン団子をだしスープで煮た後、ごま油や薬味をかけたもので、食べると栄養が取れ、体にこもった熱をとる(8)という。

客家の人々が年越しに関する思い出で最も忘れがたいのは、甘くて芳醇な米酒の香りだろう。龍南の楊村に伝わる米酒の醸造技術は、中原地域が発祥で、移り住んできた客家の先人が龍南一帯にもたらし、現地の習慣と合わさって、独特な伝統技術になった。昔、酒造りは客家の女性の基本的な生活スキルで、龍南ではほぼどの家庭でも米酒を造っていた。

伝統的な古い方法の酒造りでは、道具を洗う、もち米を浸す、もち米を蒸す、こうじを混ぜる、発酵、酒を取り出す、酒を温める、保存という八つの工程がある。このように造られた楊村米酒は、黄色に輝き、香りが豊かで、濃厚かつ爽やかだ。

廖旺娣さんは楊村の米酒醸造技術の伝承者だ。彼女は子どもの頃から母親に醸造を習い、すでに40年以上。優れた技術を持っているため、地元の人々は毎年彼女に酒造りを手伝ってもらう。彼女の思い出によると、1960~70年代、農家では食料が不足しており、毎年、米酒は、年越しの際に賓客をもてなすために使う分しか造れず、自分たちではもったいなくて飲めなかった。80年代になると、政府が農業生産責任制(9)を実施したため、農民は自分の土地を持てるようになり、農作業への積極性が向上し、食料も十分足りるようになった。どの家の米酒の醸造量も数斤(1斤は500㌘)から、かめ数十個分になった。近所に住む女性たちは自分で造った米酒を持ち寄り、互いに味見して、技術を教え合った。「十分な米酒があれば、年越しの雰囲気がより濃くなります。客が来たのにかめの中に酒がない、なんてことを心配する必要もなくなりました」と廖さんは感慨深そうに語る。

90年代末、龍南では出稼ぎブーム(10)が起こった。若者は皆、近隣の省に働きに行き、大みそかにやっと帰ってくるため、酒を造る時間がなく、外地で白酒を買って代わりにした。かつてどの家でも造られていた米酒の技術は失われかけた。廖さんのように地元に残った少数の女性だけが、かめ数個分の良質の酒を造り、家族や友人に振る舞った。

2014年、「楊村米酒醸造技術」が省レベルの無形文化遺産リストに登録されることを知り、廖さんの息子は彼女の後を継ぎ、先祖代々受け継がれてきた技術を発展させる決心をした。現在、彼は一人前の伝承者になり、米酒の香りをさらにあちこちへと広めている。専門家のアドバイスにより、彼は従来の工程に「恒温発酵」などの科学技術を取り入れ、酒造りの成功率を大いに向上させた。昔ながらの方法とイノベーションが融合し、楊村米酒醸造技術は新たな生命力を放つようになった。

「良い酒であっても奥まった路地では売れない」。昔、交通条件などの制約により、龍南の多くの優秀な民俗文化や工芸製品は、山中に閉じ込められ、外部の人々には知られていなかった。近年、龍南市は毎年、客家米酒祭りを開催し、客家の米酒文化によって外地の観光客を大勢引き寄せている。昨年には、江西省と深圳を結ぶ贛深高速鉄道が正式に開通し、龍南文化のさらなる「進出」の助けとなっている。今年7月末の「龍南囲屋郷村音楽祭り」では、客家風情の歌舞と流行音楽が古い囲屋の前で共に披露された。23年には、世界客属第32回懇親大会がここで開催予定で、龍南は現在、世界的に客家文化で名高い町になることを目指している。この山間に隠れた町は今まさに山奥から一歩ずつ踏み出して、世の人々に新たな姿を見せている。

旧暦の正月、囲屋の前で香火龍を思いのままに操り、新年を祝う客家の若者たち(写真・馮幸寧)

楊村の酒造りで行われる「焐酒」(酒を温める)の作業。密封した酒がめをわらで覆い、火をつけて酒を沸騰させ、さらにそれが自然に冷めるまで待つ(写真・李舒蘭)

「北京週報日本語版」2022年11月11日

前のページへ123
シェア:
リンク  

このウェブサイトの著作権は北京週報社にあります。掲載された記事、写真の無断転載を禁じます。


住所 中国北京市百万荘大街24号 北京週報日本語部 電 話 (8610) 68996230
  京ICP备08005356号-4 京公网安备110102005860

违法和不良信息举报电话:86-10-68357014

中国語辞書: