1997年は、中国の法治建設という観点から見れば、重大な歴史的意義のあった1年であった。中国共産党第十五回全国代表大会では、「法によって国を治める」という基本方針が打ち出されるとともに、「2010年に中国の特色を持つ社会主義の法律体系を確立する」という壮大な目標も打ち出され、正確な方向性が明示された。
新世紀に入り、中国の法律体系は完成段階に入った。ここ10年の間に、立法法から監督法、行政許可法から突発事件対応法、物権法から侵権責任法まで、法律体系の建設において軸となるような重要法案が次々に実施され、中国の特色を持つ社会主義法律体系を、ともに支えた。
特に注目すべきことは、中国共産党第十六回全国代表大会以来、中国における法律の立案者は「科学的発展観」を以て指導を行い、公開立法、民主的な立法、科学的な立法を実行しており、新中国成立当初に、これらの素晴らしい伝統は形成され、その後の法律が制定される中で、継承され、広く発展していったことである。
2001年1月には、婚姻法の改正法案が公布され、3000通にのぼる意見が国民から寄せられ、2005年7月に物権法草案が公布された時には、各方面から1万1000通以上の意見が寄せられた。また、2008年4月に食品安全法草案が公布された際には、1万件以上の意見が寄せられ、2008年12月に社会保険法草案が公布された際には、国民からの寄せられた意見と提案が7万件を突破し、社会的な関心を最も集めていた労働合同法草案が公布された際には、8万人にのぼる群衆が討論し、19万通の意見が寄せられ、立法の歴史に記録を刻んだ。
一審制から三審制に改正された後、座談会の開催や意見の公開募集、聴証会や論証会、インターネットによる意見募集やブログの閲覧、ネット上での意見交換などが行われた。
2010年は、立法活動の総合的な目標実現のカギとなる年である。立法計画の中の一連の法律が相次いで実施され、中国の法律体系を確立する上での最後の支柱となった。現在までに、有効な法律230件以上、国務院の行政法規700余件、地方クラスの法規9000件が実施されており、中国の特色を持つ社会主義の法律体系が基本的に構築された。
統計によると、現行の230件以上の法律の中で、治安管理に関する8件の法律は、1978年以前に制定されたが、それ以外の法律はすべて、中国共産党第十一期中央委員会第三回全体会議の開催以降に制定されたものである。中国はごく短期間の間に、西洋の先進国が数百年かけて行ってきた立法の歩みを駆け抜けたのである。
2010年が終わるとともに中国の法律体系が確立される。これは、法治国家へと向かうプロセスにおける重要な一歩であり、法治国への新たなスタートでもある。
「北京週報日本語版」2010年12月13日 |