新しく改正された『中華人民共和国国家賠償法』が12月1日から正式に実施された。その中で特に注目を集めていたのは、「精神的損害」が国家賠償の対象となった点である。
「今回の改正は、国家賠償をさらに一歩新しい段階へと推し進めた」と、全国人民代表大会常務委員会法律工作委員会国家法室の武増副主任は話す。
新しく改正された『中華人民共和国国家賠償法』が12月1日から正式に実施された。写真は11月30日、『国家賠償法』を市民にPRする山東省棗荘市公安局市中分局の人民警察官
事実、国家賠償法だけではなく、社会保障法、代表法、村民委員会組織法、予備役軍官法、中国人民調停法、石油・天然ガスパイプライン保護法、行政監査法、国家機密保護法、国防動員法、著作権法、など国計民生に関係する十数件にのぼる重要な法律が、2010年に実施、または改正された。
1949年に新中国が成立し、「法によって国を治める」ことが、かつてないほど重大な命題として、新中国の前に立ちはだかった。しかし中国は、文化大革命以前の探求を経て、十数年に及ぶ動乱による悲痛な教訓をえ、中国の特色を持つ社会主義の法律体系建設への歩みを進めてきた。そして改革開放に伴い、新たな出発点に立ち、終始乱れることなく法律体系の建設を推進してきた。
刑法と刑事訴訟法は、新中国における最初の刑法典と刑事訴訟法典であり、中国の法律体系の中の刑法部門と刑事訴訟部門を初歩的に形成した。
行政訴訟法は中国初の「民告官(民間人が政府を訴える)」法律だといわれており、訴訟法の制定は、中国の三大訴訟法(刑事訴訟法、民事訴訟法、行政訴訟法)の初歩的な雛形の形成を表している。
改革開放の第一段階である始めの10年の間に、全国人民代表大会では、84件の法律と、それに関連する法律64件が制定され、中国の初歩的な法律体系の枠組みを構築した。
1990年代の初めに、中国は社会主義市場経済を建設し始め、それに伴い、立法活動の重点も経済領域へと移行した。公司法、証券法、保険法、中国人民銀行法、商業銀行法など広い範囲をカバーする、市場を中心とした、また市場の秩序を守る法律が次々に打ち出された。この10年間に制定された経済関連の法律の伸び幅は、前の10年間と比べると、3分の1増であった。
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