本誌記者 蘭辛珍
中国経済は依然として安定的な成長を保ち、4月15日に国家統計局が発表した第1四半期の国民経済状況によると、さしあたっての見通しでは、第1四半期の国内総生産(GDP)は9兆6311億元で、伸び率は同期比9.7%増。国家統計局のスポークスマンであり国民経済総合統計司司長の盛来運氏は「国民経済は昨年の上半期以来の安定的な成長を保っており、経済の安定、就業の拡大、物価の抑制、利益の向上、民生の改善といった特徴が現れており、序盤としては良好な状態だ」と語った。
安定的な成長傾向は変わらない
各項目のデータによると、第1四半期における中国経済の最大の特徴は「安定」である。
中国は農業大国であり、農業の安定が経済の安定に重要な役割を果たしている。国家統計局のデータによると、2011年の中国における食糧の作付面積が例年に比べて増加傾向にあり、畜産業の生産も安定的な成長傾向にある。
江蘇省鑫縁シルク公司の生地製造工場(許叢軍撮影)
国家統計局が全国の約7万戸の農家に行った作付けに関する意識調査によると、2011年の全国食糧作付面積は1億1028万ヘクタールで、前年比40万ヘクタール増、中でも夏に収穫する食糧の作付面積は2749万ヘクタールで5万ヘクタール増であった。このまま何事もなければ、今年の中国における食糧生産量は8年連続で増加が見込まれる。
工業生産も安定的な成長を保っており、企業利益も増加傾向にある。データによれば、第1四半期の全国の一定規模以上企業(国有企業と年間営業収入2000万元以上の非国有企業)の工業増加値(日本の売上総利益に類似した経済指標)は同期比14.4%増であった。昨年の第3四半期は13.5%、第4四半期は13.3%となっており、成長傾向を維持している。第1四半期の一定規模以上の工業企業の生産販売率は97.7%に達し、前年同期比0.1ポイント増。
盛氏によると、中国経済が安定していると言うには、第一に経済動向を見る必要がある。第1四半期のGDPの伸び率は9.7%で、すでに3四半期連続で9.5~10%の間を維持している。実体経済も安定的な成長傾向にあり、第1四半期の一定規模以上の工業増加値成長率は同期比14.4%増で、3四半期連続で14%前後を維持している。
次に就業状況を見る必要がある。第1四半期の中国における都市部での就業人数は同期比463万人増で、出稼ぎ農民は同期比530万人増であった。
そして最後に経済効果を見る必要がある。財政収入は第1四半期で33.1%増、一定規模以上の企業の1月から2月までの利潤は34.3%増で、比較的急速な伸びを示している。住民所得は安定した増加傾向にあり、第1四半期の都市部住民の物価要素を控除した可処分所得の実質伸び率は7.1%増、農村住民の所得の実質伸び率は14.3%増である。
盛氏は「このデータから、第1四半期における国民経済の全体的な運営状況は良好だといえる」と語った。
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