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【40代から始める日本人の中国生活の記録】中国が達成した10年間の成果
  ·   2022-11-28  ·  ソース:北京週報
タグ: イノベーション;外資;中日交流
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「十年一昔」という言葉がある。わずか10年間であっても、振り返ってみればはるか昔のことのように思われる。また、10年を一区切りとして個人や社会、国家を顧みたときに、大きな変化が見られるといった意味で使われる。では、自分にとってこの10年はどうだったかといえば、仕事や生活の環境が変わり、もろもろのスキルもそれなりに向上したとは思うが、生き方や物事の考え方など、根っこの部分で変化があったかというと、まるで進歩していない。一体この間、何をやっていたのかと突っ込まれても仕方がないと思うが、そのように自分があっちでもない、こっちでもないと迷走していた10年間に、中国は目をみはる進歩を成し遂げた。悠久の歴史を持つ中国にとって10年とはごく短い時間にすぎないが、その間の成果は極めて大きい。

自分が日本で働いていた頃、仕事上の必要性からたまたま中国と縁を持ったのが2010年のことで、年に数回出張などで通うようになったのがちょうど2012年辺りである。さすがにこちらで暮らしている人々にはかなわないが、筆者もそれなりに中国の変化について、注目をしてきたつもりである。そこで今回は中国が達成した10年間の成果をテーマに、自分が感じたことを語ってみたい。

まず、身近に感じることで真っ先に挙げられるのは、社会実装型のIT技術の普及である。この10年間、中国は暮らしを便利にするありとあらゆるデジタル技術を実用化していった。モバイル決済、フードデリバリー、宅配便、EC、シェアリング自転車など、生活に密着したものだけでも挙げていけばきりがないが、中国におけるこの10年間は、暮らしの中で続々とイノベーションが生まれた10年だったと言える。

中国におけるイノベーションの特徴は、「まずやってみる」というチャレンジ精神が強いことだ。悪く言えば「見切り発車」と表現することも可能だが、いつまでも発車しないよりは全然いいのは確かである。日本は国民性のせいか、完璧を追い求める傾向があるし、新しいことを始めるにもさまざまな調整が必要とする。例えば今、北京には将来有望な技術とされる自動運転の試験エリアがあるが、同じことを日本の公道でやるのは、おそらく相当難しいだろう。革新性や思い切りの良さという面で、日本が中国のこの10年から学ぶべきことは大いにあると筆者は考える。

また、自分の知人の在中邦人や華僑の方たちと話をしていて、この10年間、中国で大きく変わったこととしてよく話題に上るのは、ガバナンス強化やルール順守が進んだ点である。一例を挙げると、2015年頃だったと思うが、自分は華僑の方を通じて中国の華南地方から衣服の輸入をしていた。しょせんは雑誌の特典用なので大した量ではなく、別にトラブルなく納品されるだろうと思っていたら、先方が突然納期に間に合わないと言い出した。

「環境基準が厳しくなって、その対応を終えるまで染物工場が動かなくなりました」

今まではこんなことなかったのにどうしようと業者の人は言うのだが、これは今になって考えてみれば、中国が環境問題に本腰を入れていることの表れであり、ルールがちゃんと適用されるようになった証しだろう。

中国で古くからビジネスをやっている友人は、「中国というと昔は何かといい加減で、それがむしろ商売ではやりやすい部分もあった」などということを言っていた。だが、これは冷静に考えてみるとおかしな話で、地域や人によってルールが違い、それをコネなり接待なりで何とかするというのは、その場はよくても長い目で見た場合に間違いなくマイナスの方が圧倒的に大きい。明確なルールが定められていて、それが守られてこそ、投資やビジネスも確実性が高まり、計画を持って行える。ガバナンス強化や法治の浸透、ルール遵守といったことは、やはりこの10年間の成果として非常に大きいと考える。

最後にもう1点、自分が最も大きな変化だと感じるのは、中国の人々はここ10年で自信を持ったということだ。それは文化や経済力、国際的な地位などさまざまな分野にわたるものであり、簡単に言えば強い中国への誇りを持つようになったということである。

それを顕著に感じるのは、中国の人々の日本に対する評価だ。日本に旅行をしたことがある人や日本人と付き合いがある人から最近言われるのは、「日本人は勤勉だ」「日本は道がきれいだ」といったことで、2000年代によく言われた「日本製品は優れている」という言葉を耳にすることが少なくなった。まして今どき「日本は進んでいる」という話はまず聞かない。

これは決して驕りではなく、正当な見方であると自分は感じる。実際、自分もコロナ禍前に中国から日本に帰った際、現金で買い物をしておつりに小銭を返された時など、一種のノスタルジーを感じたものだ。インフラなども日本の方が発達が早かった分、建物や設備が古いのに対し、中国はどれも新しい。少なくとも貧しかった頃の中国の人々が日本に対して持っていた憧憬は、もはや存在しないと言っていい。

中国は10年間で飛躍的進歩を遂げ、それに伴い人々の意識も確実に変わった。中国をニュースを通じてしか見ていない人は、中国の成長を知識としては知っていても、そのような意識の変化に気づいていないように思える。自信に満ちあふれ、それに見合った自己主張をし、物の見方をするようになった中国の人々といかに付き合うかは、今後の日本人にとって大きな課題である。

認識のギャップを埋めるのに最も良い方法は、交流を進めることに他ならない。現在、中国を知り、中国の人々と触れ合う催しは日本国内でも多々行われている。ぜひ日本の同胞諸兄がそのような機会をとらえ、中国理解を進めていただければ幸甚の極みである。

「北京週報日本語版」2022年11月28日

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