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米軍は南中国海で行動を慎むべき
  ·   2016-03-09
タグ: 南中国海;米軍;政治
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米軍はこのほど空母打撃群を南中国海に派遣したことを大々的に発表し、5日にも同空母打撃群が中国艦船に「包囲」されたとして、「かつてない状況だ」と述べた。このことで世界の人々は、米軍が南中国海で武力を誇示し、緊張を引き起こしている根本的目的とその危険性に再び注目せざるを得なくなった。(文:張軍社・海軍軍事学術研究所研究員。人民日報海外版コラム「望海楼」掲載)

第1に、「航行の自由」の維持は米軍にとって南中国海をかき乱す口実に過ぎない。米メディアは3日、米太平洋艦隊報道官の発言として、米国の軍艦と空母はすでに過去数十年間にわたり、南中国海を含む西太平洋海域を定期的にパトロールしていると報じた。南中国海の航行の自由が問題ではないことが、これによってさらに裏付けられた。米国の軍艦は長年南中国海を航行しており、他の国々の軍艦や商船と同様、正常な航行でさえあれば、影響を受けたことはない。米軍は昨年10月に駆逐艦ラッセン、今年1月に駆逐艦ウィルバーを中国政府の許可を得ずに、それぞれ中国の南沙(英語名スプラトリー)諸島の関係島・礁の近隣海域および西沙(英語名パラセル)諸島領海に勝手に進入させて挑発を行い、中国の主権と安全を深刻に脅かし、地域の平和と安定を破壊しようとした。これは国際法上「航行の自由」の乱用であり、その偽善性と横暴さを露呈した。

第2に、米軍が南中国海情勢をかき乱すのは中国を封じ込め、地域における米国の覇権的地位を維持することが目的だ。「南中国海における中国の主権維持行動は『西太平洋の主導権』を勝ち取ろうとするものであり、ひとたび主導権を獲得すれば、米国の世界覇権に挑戦する」との主張が米国にはある。このため海洋紛争を利用して中国を封じ込める取っ掛かりにする考えが早くからあった。米国の「ネイビー・タイムズ」は、米軍が今回「小規模の無敵艦隊」を派遣したのは「中国に対抗する」ためだと指摘した。米軍が南中国海で武力を誇示し、もめ事を引き起こす目的が何なのか、明々白々だと言える。

第3に、南中国海における米軍の冒険的行動は、地域に緊張をもたらしている根本的原因だ。ハリス米太平洋軍司令官は最近議会で証言した際、南中国海を「軍事化」しているとして強硬に中国を非難したうえ、米海軍が近いうちに南中国海を巡航することを明らかにした。2日にもニューデリーで「一部の国は恫喝と脅迫によって小国をいじめようとしている」と名指しはせずに批判した。だが実際には南中国海では、まさに米軍のいわゆる「航行の自由」行動と武力を誇示する行為が地域の緊張を招いたのだ。中国側が駐屯する島・礁の沿岸水域および領海への米側軍艦の進入は、双方の海空兵力の近距離接触を招き、不測の事態をきわめて引き起こしやすい。同時に、米軍の冒険行為は南中国海におけるフィリピンなどの中国への挑発を助長した。これは地域の平和と安定にマイナスだ。

また、南中国海における米軍の冒険的行動をめぐり、米軍当局とホワイトハウスとの間には溝があると指摘したメディアがあった。今回南中国海への空母進入の情報は軍側が最も早く発表した。だがホワイトハウス報道官はその後の記者会見で、空母ステニスは確かに南中国海及び周辺海域を航行しているが、通常の行動の一部であり、「航行の自由行動」ではないと述べた。米軍当局とホワイトハウスとの間の矛盾が露呈したようだ。

最後に、米軍が南中国海で中国にねらいを定めた挑発と武力の誇示を止め、双方の相互信頼がこれ以上損なわれないようにすることを希望する。現在米側は中国側と共に、引き続き溝の管理・コントロールに努力し、戦略の誤った判断を回避すべきだ。南中国海問題で米側が、歴史上かつてあった戦略の誤った判断を繰り返さないことを望む。(編集NA)

「人民網日本語版」2016年3月9日

米軍は南中国海で行動を慎むべき--pekinshuho
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