南中国海沿岸国として、南中国海の航行の自由に対する中国の関心はどの国にもひけをとらない。南中国海は中国の最も重要な貿易・エネルギー輸送経路である。中国は当然、関連商船と民用航空機の航行と飛行の自由を守る必要がある。中国は各国が国際法に基づいて南中国海で享受する航行と飛行の自由を尊重するが、国際法はいかなる国に対しても軍艦を派遣して他国の安全を脅かす権力を与えてはいない。南中国海の航行と飛行の自由を守ることは、特定の国がいわゆる「航行自由計画」を実施して他国の主権と安全利益を脅かす口実にはなり得ない。李克強総理が「五つの提議」で指摘した通り、域外国は地域諸国が南中国海の平和と安定を守るために払った努力を尊重かつ支持し、積極的で建設的な作用を果たすべきで、地域情勢を緊張させるような行動を取ってはならないのである。
南中国海問題において、一部の国が取っているのは掛け値なしの「ダブルスタンダード」である。彼らは中国が南沙諸島の一部島嶼・岩礁で行っている民事・公益施設建設についてとやかく言い、さまざまな国際的な場面で頻繁に中国が南中国海「軍事化」を進めているなどと誇張している。しかしその一方で、アジア太平洋と南中国海周辺で軍事配置のグレードを高め、軍事同盟を強化し、軍事装備を送り込み、演習を増やし、偵察など軍事活動の頻度と強度を高め、周辺国の軍事力建設推進を助け、アジア太平洋地域の軍事的色彩を強めている。こうした「軍事化」の趨勢こそ懸念の対象だ。自身はたえず「軍事化」をやっておきながら、それは棚に上げて中国を非難する。このような自己矛盾したロジックには納得できない。
南中国海問題を煽り、地域諸国の相互信頼を破壊し、地域の平和的発展の大局を妨害することは、地域の人々の期待と利益に最も合致しない選択肢だと言わねばならないだろう。(国際問題ウォーチャー 凌軍)
「北京週報日本語版」2015年12月23日