「小康社会」は鄧小平氏が1970年代末から1980年代初頭にかけて、中国の経済社会発展の青写真を描いた際に提起した構想である。中国の特色ある社会主義建設事業が深まるにつれ、その内容と意義を絶えず豊富にし、発展させてきた。20世紀末、「小康」を基本的に実現したという状況下で、第16回党大会の政治活動報告は「全面的な小康社会の建設」を打ち出し、第17回党大会の報告はその基礎の上にさらに高い要求を提起し、第18回党大会の報告は、わが国の経済社会発展の実情と新たな段階的な特性に基づいて、第16回、第17回党大会で確立した全面的な小康社会の建設という目標を基礎に、2020年に「全面的な小康社会の建設完成」という目標を提起した。
この目標は以下の6項目を含んでいる。第1、経済発展モデルの転換を大きく進展させる。第2、「二つの倍増」を実現する。すなわち国内総生産(GDP)と都市・農村部住民の一人当たりの所得を2010年比で2倍にする。第3、イノベーションによる発展に新たな推進力を増強することを通じて革新型の国家の一員になる。第4、工業化を基本的に実現し、情報化のレベルを大幅にアップし、都市化の質を明らかに向上させ、農業現代化と社会主義的新農村建設で顕著な効果を上げる。第5、地域協調発展システムをほぼ形成する。第6、対外開放のレベルをさらに高め、国際競争力を明らかに増強する。