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足踏みに終始した2015年の中日関係
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陳言 · 2015-12-29 · 北京週報 |
タグ: 中日関係;「一帯一路」;政治 | 印刷 |
「一帯一路」(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀海のシルクロード」)は中国の2015年における外交・経済上の重点である。中国を含む「一帯一路」沿いの国々は44億の人口を有し、世界で最も成長スピードがあり、最も発展将来性のある地域だ。日本が主導するアジア開発銀行(ADB)のレポートによると、2010年から2020年にかけて、アジアのインフラ市場需要は毎年8000億ドル、10年間では計8兆ドルに上るという。
中国は「一帯一路」政策を策定する際、アジアのインフラ市場需要を満たすため、銀行の設立を検討した。これが2015年に中国主導で開設されたアジアインフラ投資銀行(AIIB)である。地元であるアジア地域で、この銀行の設立に対し反対の態度を明確にしたのは日本だけだった。
2015年は、中日がアジアで鉄道建設などのプロジェクトをめぐり熾烈な競争を繰り広げた1年でもあった。まず中国がインドネシアで高速鉄道建設プロジェクトを獲得した。日本の政府官房長官はインドネシアが高速鉄道建設プロジェクトを中国企業に受注させたと知ると、「理解できない」との見方を公にし、安倍首相もインドネシアに対し直接「不満」を示した。これに続いて、日本はインドに対し償還期間50年、総額1兆円規模の低利子借款を供与するという方法で、インドから日本の高速鉄道採用合意を勝ち取った。中日鉄道競争は、今後もタイ、マレーシア、シンガポールなどでさらに熾烈な形で展開されるだろう。
道路、港湾、発電所、通信設備などの建設は、今後中国の「一帯一路」政策推進にしたがって、東南アジア、中央アジア、ひいてはアフリカの多くの国で展開されていくと見られる。中国政府が行き、中国企業がプロジェクト交渉に赴く国であればどこでも、ほどなく日本政府などが後を追ってくるだろう。タイの鉄道建設は、いったいどの国のどの企業が担うことになるのか定まらない状況だ。タイの態度がこのように揺れ動いているのは、中日政府間、企業間で行なわれている競争の直接的な表れということだろう。
中日が「一帯一路」上で熾烈な競争を繰り広げ、スピード、質、持続可能性などを競っていることは、インフラ建設にとって有益であるはずだ。しかしインドネシア高速鉄道は50億ドル、インドのプロジェクトも150億ドルで、10年間で8兆ドルというアジア全体の市場需要と比べると規模が小さい。中日が意味のない競争をやめ、アジアの社会インフラ建設という遠大な計画をともに議論することは、中日両国及びアジアにとって有益である。
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